人との出会いの中で少しずついろんなことがわかってくる(小林)
ーー声優という職業も年々努力を重ねていくお仕事だと思うのですけど、選手育成の部分で共感できることはありますか?
【安元】自分ができると思ってるけどできないものっていうことって山ほどあるのに、若ければ若いほどできると思ってるんですよ。アシトもまさにそうですけど。
【小林】知識がないときのほうが幸せだったりしますよね。役者業もそういう意味ではまったく一緒ですね。
【安元】若い頃「小学生からおじいちゃんまで全部できます!」ってノリだったじゃないですか。できやしないのに!
【小林】そんなわけないのに(笑)。リアルな話、養成所とかでは自分が(技術的に)うまいほうだったりすると、「あ、いけんじゃない?」とか思うんです。先輩に説教を受けたりもいっぱいありますし。それで役者になったら自分のやりたいことと、演出が求めていることのズレとか…。
【安元】演出を理解しようともしないときがありましたからね。これはこれ、僕のやりかたって。作品のこととかをまだ考える余裕がなかった。自分でいっぱいいっぱいだった。
【小林】人との出会いの中で少しずつこういうことがわかってくる。だから運が良かったなぁと思いますね。