劇団ひとり監督「24時間テレビ」SPドラマへの思い明かす「純粋に事実の輪郭をはっきりさせて届けることが使命なのかな」
「無言館」に焦点を当て、すっきりとした脚本に
――脚本を書く上で意識したこと、特に注目してほしい所はどんなところですか?
主人公の窪島さんは、とても数奇な運命をたどられていて、ご両親のお話や、父親が小説家であることなど、過去にドラマにもなっているくらいすごい話なんですよね。でも、それを描いた上に、「無言館」設立のために絵を集めることを描くとなると、とてもじゃないけど2時間では描き切れないんですよね。なので、今回は「無言館」のみに焦点を当てて、窪島さんの過去のドラマチックな部分は、泣く泣く描かないことに決めました。
そういう意味で言うと、戦没画学生の絵を大事にしている方々、その絵を預かりに行く2人に焦点をあてた、すっきりとした脚本になりました。その中で、窪島さんの著書を読むと、窪島さん自身、絵を集めることについて、「何でこんなことをやっているのかよくわからない」という風に書いていたんですよね。
でも、「何だかわからないけど、使命感みたいなものを感じる」と。「意味があってから動き出すのではなくて、やりながら自分自身で意味づけをしていく」という。そういった部分も脚本に反映させていただきました。
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