劇団ひとり監督「24時間テレビ」SPドラマへの思い明かす「純粋に事実の輪郭をはっきりさせて届けることが使命なのかな」
8月27日(土)、28日(日)に放送される「24時間テレビ45 会いたい!」(日本テレビ系)。2022年のスペシャルドラマは、本格派ヒューマンドラマ「無言館」を放送。戦争で亡くなった画学生の絵を集めた美術館「無言館」設立のために全国を駆け巡った男性を、実話を基に描くヒューマンストーリー。地上波ドラマとしては初の監督兼脚本を担当した劇団ひとりが作品への思いを明かした。
絵を見たり、美術館の建物の雰囲気も含めて、とても魅力的だなと思いました
――今回、「無言館」を題材にしたドラマの放送を決めた理由を教えてください。
今回は、企画が決まっていない段階から作品に関わらせていただいたのですが、プロデューサーさんから「無言館」についての説明を受けて、僕自身、とても興味が湧きました。僕は「無言館」のことを知らなかったのですが、実際に画集を見せてもらって絵を見たり、美術館の建物の雰囲気も含めて、とても魅力的だなと思いました。
また、この企画を決めている時は、ちょうどウクライナの問題もあり、連日そのニュースばっかりで。僕みたいな世間知らずでさえ、戦争についてすごく考える機会があったことも影響していたと思います。
「反戦」をテーマにした内容にならないよう気を付けました
ただ、主人公のモデルとなった窪島誠一郎さんの著書を読むと、「無言館」を「反戦をテーマにした美術館にはしたくない」とおっしゃっていて。絵と戦争は、直接は関係のないことだから、あくまで作品を楽しんでもらいたいと。「美談にはしないで欲しい」とおっしゃっていたので、ドラマも「反戦」をテーマにした内容にならないよう気を付けました。
絵に向き合った画学生の思いや、絵を守ろうとするご家族の思い、絵を引き継ごうとする窪島さんや野見山暁治さんの思いは、ものすごく美しいものだと僕は思ったので、極力その思いに焦点をあてて、脚本を書いたつもりです。