生きられない赤子を産み続けるイルミューイの慟哭
欲望の揺籃を、「治って…」と願いを込めてイルミューイに握らせるヴエコ。翌日、目を覚ましたヴエコが見たのは回復したイルミューイの笑顔と、その胸に取り込まれた欲望の揺籃だった。崩れた手を痛くないというイルミューイに、ヴエコは何かがおかしくなっていると震えを覚える。そして、イルミューイは笑顔を見せながらも、日に日に人の姿を崩していく。
それからのある日、耳をつんざく悲鳴に駆け付けたヴエコが目にしたのは、人ではない赤子を嬉しそうに抱くイルミューイの姿だった。願いを叶える欲望の揺籃。子どもを作れない体を理由に大穴に捨てられたイルミューイが願ったのが、この赤子だったのか…。しかし、目も口もないその生き物は一日と生きられず、次の日にまた赤子が生まれる。繰り返される苦しみにイルミューイの慟哭がやまない中、ついにヴエコも発症してしまう。
イルミューイに懺悔しながらも、ただただ感じるのは喉の渇きを癒す水への欲望。そんなヴエコの口に何かのスープが注がれていく。あまりの旨さにヴエコはたまらず飲み干し、翌朝、不思議なことに体はすっかり回復していた。自分は何を食べさせられたのか。嫌な予感がよぎるヴエコにワズキャンが明るく答える。「大丈夫。みんなにも振舞ったさ。言っただろ?あの子がみんなを救ってくれたんだ」と。
ヴエコが口にしたスープの材料は…?
今回、随所で得体の知れない預言者然とした雰囲気で描かれたワズキャン。ヴエコたちに希望を与えているようで、ともすれば邪悪にも見える言動には視聴者も一様に寒気を覚えたようだ。放送後のTwitterには「ワズキャン、みんなに何を食わせた…?イルミューイの子供?」「えぐいけどそれでヴエコたち助かるんならワズキャンのこと責められないな……」「ワズキャン何を仕掛けたのか、想像はつくが何故その発想に至ったのか謎なので恐怖過ぎ」など、様々に思いを馳せるコメントが投稿されている。
この他、「やりやがったな。視聴者の精神を粉々にする展開。これがメイドインアビスだってわかってた」「全員倒れてリーダーが選んだ決断が地獄 この作品地獄しかないのでは…」といった凄惨続きの描写にうなだれる声や、「主題歌の歌詞どおりになってきてとてもつらい」など、オープニング主題歌「かたち」(安月名莉子)に注目する声なども上がっている。