目指すのは「学びを楽しめる」番組
――報道番組のMCにおいて、参考にしている方はいらっしゃいますか?
特に誰かを参考にというのはないですが、こういうスタイルがあるんだという分析程度に、皆さんのスタイルを見るようにしています。
――誰かにアドバイスを請うたり、受けたりしましたか?
ないですね~。そういうの、あまり聞かないんです。昔はそういうことをしたこともあるのですが、言ってることを落とし込めないんですよね(笑)。能力が違うというか、その先輩はその能力があるから「こうしたほうがいいよ」と言ってできるのですが、僕にはできないし、分からなくて。
――MCが決まって、周りの方々の反応はいかがでしたか?
友達からはたくさん連絡がきました。高校時代の友達で主婦になっている子とかは、「これ見て私も勉強する」と言ってくれたり。
今は共働きも多くて、仕事も子育てもしながら、普段ニュースを見ていて分からないことがあってもそのままスルーしてしまうというか、調べる時間がなかなか取れなかったり、やろうと思っている間に忘れてしまうこともあるみたいで。そこを救える番組になったらいいなと思いました。
高校の恩師からも連絡がきましたが、先生からくるのが一番恥ずかしいです。成績を知っているから、「お前にはできると思えない」って(笑)。でもいろいろと思うところがあるみたいですね。
――芸能界のお友達はいかがですか?
役者さんで何人か連絡をくれた人もいますが、「バカがバレるからあまりそういう番組に出たくない」ってみんな必ず言うんですよね(笑)。でも、そうじゃなくて、内容はしっかりしているけど遊びに来やすい雰囲気で、楽しめる番組にしたいんです。「学びを楽しめる」というのか大事かなと思っています。
――ロンドンに留学された際に学んだことで、今生きていると思うことはありますか?
3,4歳からずっと芸能界にいたので、外の世界を知っているようで知らなくて、自分が輪の中心にいることに多少の違和感を覚えていたと思うんです。芸能界の友達よりも一般の友達が多いのは、そこから見えるものがあるのではないかと、多分ずっと心のどこかにあったからだと思います。
そういう意味では、一回休んで外に出るという経験が、「自分は何者でもない」という気付きを与えてくれました。自分的にはすごく楽になったし、いろいろなことに固執しなくなりました。これは、元々イギリスに行こうと思った理由とは直結していないのですが、副産物としてあるんじゃないかなと思います。
――番組が目指すところや、今後の展望があればお聞かせください。
知りたいことは尽きないと思う一方で、皆さんがもっとなんでも知っている世の中になれば、こういう番組はいらなくなるんじゃないかとも思っていて。それを目標にするのはどうかと思うんですけど…。
仮にこの番組が20年続いたとして、僕が56歳になると、「お前はいつまで学んでるんだ」という話になるわけです(笑)。もし何年も続かせることができたら、自分も何かのスペシャリストとして伝えられる立場になっていればいいなと思います。