10月27日(木)よりスタートするドラマ「恋と弾丸」(毎週木曜深夜0:50ほか、MBSドラマ特区枠)で馬場ふみかと共にW主演を務める古川雄大。ヤクザと女子大生という異なる世界で生きる2人が運命的に出会い、禁断の愛を育む姿を描く本作で、古川が演じるのはヤクザ・桜夜組の若頭・桜夜才臣。古川はミュージカル「エリザベート」「モーツァルト!」などに出演し、第一線のミュージカル俳優として活躍すると同時に、連続テレビ小説「エール」(2020年、NHK総合)の“ミュージックティーチャー”こと御手洗清太郎や、「極主夫道」(2020年、日本テレビ系)の天然でオタクな警察官・酒井タツキをはじめ、ドラマでも様々な個性あふれる役柄を演じている。そんな古川にテレビドラマで演じることの楽しさや、映像ならではの面白さ、突き抜けた作品になりそうな本作の見どころを聞いた。
役と自身の共通点は「ギャップがあるところ」
──今作で演じる桜夜才臣というキャラクターを、古川さんはどのようなキャラクターだと捉えていますか?
とても強くて芯があり、暴力的な部分もありながら、紳士的な部分もある、人間としてすごくできた人です。劇中ではユリと恋愛をしていく過程でさまざまな表情を見せていきます。
──役とご自身の共通点を挙げるなら?
うーん……ギャップがあるところでしょうか。桜夜はヤクザとして確固たる唯一の存在でありながら、恋愛を通して弱さやちょっとした嫉妬心を見せていくのですが、僕も割とギャップがあるほうだと思うんです。家ではちょっと違う感じだと……って何を言ってるんだろう、急に恥ずかしくなってきちゃった。今の話、全部忘れてもらっていいですか?(笑)
──桜夜が恋する女子大生・ユリを演じるのは馬場ふみかさん。馬場さんの印象はどのようなものでしたか?
馬場さんとは舞台(「シラノ・ド・ベルジュラック」)でも一度共演させていただいて。そのときも相手役だったのですが、そのときは僕が一方的にフラレ続ける役だったんです。だから今回はちゃんと成功してよかったなと(笑)。舞台のときも感じたのですが、カッコつけないというか、飾らない役作りをされるところが素敵だなと思います。
──では、そんな馬場さん演じるユリの魅力はどのようなところだと思いますか?
かわいらしい部分もありながらも、強く立ち向かっていく。桜夜はそんなユリの姿に惹かれているんじゃないかなと思います。
ずっとヤクザ役をやってみたいと思っていた
──今回演じられる桜夜はヤクザですが、初めてのヤクザ役はいかがでしたか?
ずっとヤクザ役をやってみたいと思っていたんです。「どんな役をやりたい?」という話をするときはいつも「ヤクザやってみたい」「悪役やってみたい」と言っていて。今回の桜夜は、一見悪に見えるけど、純愛をしていくというギャップも面白さかなと思いながら演じました。
──ヤクザ役をやってみたいと思っていたのはどうしてですか?
北野武監督の「アウトレイジ」シリーズや、福澤徹三さんによる小説「すじぼり」など、ヤクザの世界を描いた作品が好きなんです。「悪ければ悪いほどカッコいい」みたいな憧れがあって。役者だと、演じることでその憧れを実現させられるじゃないですか。あとは悪の道に進む男の葛藤を、自分が描いたらどんな感じになるのだろうという気持ちもありました。
──実際に桜夜を演じてみて、大変だったことや難しかったことはありますか?
ヤクザだからというよりは、桜夜が人との距離の近い人で、その距離感に対しての免疫が自分になかったので、その点で苦労しました。あとセリフが、バラエティだったら全部テロップがつくようなものばかりだったので、「このセリフをどう言おうか」みたいなことは結構悩みました。監督のスミスさんに徹底的に指導していただいて。バチバチに決めたり、恥ずかしくなるくらい必要以上にカッコつけたりしています。そういう意味で異世界に誘うようなドラマになっていると思います。
──では、古川さんの思う「恋と弾丸」の見どころを教えてください。
たくさんありますが、どのインタビューでも「恋をしましょう」ということは言わせてもらっています。この作品を見ていると「恋しなきゃ、人生もったいない!」と思えるはず。桜夜はヤクザという職業柄「いつ死ぬかわからないから生き急いでるんだ」と言っていますが、それは誰しも同じこと。恋愛に限らず、何かに臆病になっている人の背中を押したり、一歩が踏み出せない人へトライする力を与えたりできる作品なのかなと。そういったものをどこかで感じてもらえたらうれしいです。
ジェネオン・ユニバーサル