早朝にやって来た鵜飼
外注をやめて自分たちで作ることに決めた那由他と隼人は、アトムに残っていたジオラマを背景に取り込むことを思いつき、作業は急ピッチで進んだ。そして、プレゼン当日の早朝4時。銀行支店長の小山田(皆川猿時)から「もう1度データを消せ」と強要された鵜飼がアトムにやって来た。パソコンに手をかけたそのとき、仮眠をとっていた那由他が起き上がり、鵜飼は慌てる。「(最初の)データが消えて良かった。もっとアトムらしい、いいゲームになった」と言う那由他に「諦めるってことがないんですね」と驚く鵜飼。それに対し、諦めることばかりだが、そのたびにアトムの仲間に励まされてる、と語り始める那由他。「鵜飼さんにも励まされてる」と言われ、彼の心は揺れる。そして「何回失敗してもやり直そう、って思える」との言葉が刺さり、「私も…やり直せますかね…」とつぶやいた。
話しながら最後の仕上げをして、保存キーを押した後、那由他は再び仮眠を取りに行ってしまった。1人取り残された鵜飼がパソコンに目をやると、画面には「問題が発生しました」の文字と、「再試行」「キャンセル」のボタンが。那由他を呼び戻そうとした鵜飼だが、昨日の小山田とのやり取りが浮かび、マウスを握り、カーソルを「キャンセル」に動かした。
このときTwitterには、「やめてやめてやめて」「鵜飼!ここで押したら人間じゃないぞ!」など、鵜飼を止めるコメントが連投。「すいません…」と言いながらマウスをクリックした鵜飼に「どっち押した?」「銀行に、すいません、だよね…?」と、鵜飼の良心を祈るコメントがさらに溢れ返った。
夜が明け、パソコンを立ち上げた那由他は、「えっ?」と一言。そして、「コレ、鵜飼さんが…」のセリフに、視聴者はもうドキドキだった。
鵜飼の告白
結果、鵜飼は「再試行」を押していた。おかげで、ゲームは無事プレゼンでき、出資も決まったのだった。祝杯をあげるアトムの面々の元にやって来た鵜飼に、皆が口々に感謝の言葉を述べた。そんな彼らに、小山田にいいポストにつけてやると言われ、欲に目がくらんでデータを消したことを告白し、土下座して謝る鵜飼。そして、皆の諦めない姿を見て自分が情けなくなったこと、アトムで働くのが楽しかったこと、できることなら普通にアトムで働きたかった、と、涙ながらに話すのだった。
あんなことをしでかしたんだから、ここにはもう居られない、と言う鵜飼に、「あんなことしでかしたんですから、そう簡単にやめられたら困ります」と告げる海。那由他も「言ったじゃないですか。何度だってやり直せばいい、って」と、鵜飼を迎え入れた。
「鵜飼さん、偉い!よく正直に言った」「ちゃんと謝る勇気。見直した」「鵜飼が仲間になった!」と、視聴者も鵜飼ウェルカムの空気が充満。また「何度だってやり直せばいい、って言葉、すごく刺さった」「勇気をもらった」と、感銘を受けたとのコメントも散見された。めでたしめでたし。となるかと思ったが、大手IT企業・SAGASの興津(オダギリジョー)が次の動きを見せる。経産省の堂島(西田尚美)にインディゲームの規制を持ちかけていたのだった。
“アトム潰し”に本気を出してきた興津に、那由他たちはどう立ち向かうのか、ますます目が離せない展開になってきた。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
※山崎賢人の崎は正しくは「たつさき」
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