安達祐実が今後なりたい俳優像や演じるキャラクター・吉子について語る<ザ・トラベルナース>
安達祐実が演じるキャラクター・吉子を語る
――台本を読んで感じたご自身が演じるキャラクターの印象は?
1、2話を読んだ段階では、吉子の性格はつかみどころがないと言いますか、よく分からなかったんです。誰に対してもツンツンしていて人と話すのが苦手なのかなと思えば、人とコミュニケーションは普通に取りたがる。「あれ?この人、こじれているのかな?」と思ってしまうくらいには難しいキャラクターだなと思いました。
金井(紘)監督が「5話まで読めば(吉子の)キャラクターが分かってくると思うんで」とおっしゃっていたんですが、撮影が始まった時点で5話の台本がまだできていなかったので、撮影当初は私も吉子のことは本当に「どんな人なんだろう」と思いながら演じることが多かったかもしれません。
でも、監督からは「吉子はこういう感じだから」と指示があったり、内山さんからも吉子については、「最初はどんな人か分からなくて、不気味な感じがしていいから」と言われていたので、皆さんの言葉を素直に受け止めて演じていました。
――吉子は「探偵」のような観察眼を持っているなと思っていました。
そうですね(笑)。そういう意味でも吉子は結構、目ざといんでしょうね。人の変化を感じ取ることができる人なので、わりとちゃんと人を見ているんだと思います。
でも、吉子の性格上、得た情報を悪い方に考えてしまうので、やっぱりちょっとこじらせている人なのだと思います。
最初の頃の吉子は、若干サスペンスを思わせるような雰囲気だったので、「え?医療ドラマなのに大丈夫?!」と心配したのが懐かしいです(笑)。
――演じていて楽しかったことを教えてください。
不気味さを演じることも楽しかったですし、他の看護師とは違うリアクションをするのも楽しかったです。他の人は素直に楽しんでいるシーンであっても、吉子はちょっとすかしていたりするので、そういう変わり者っぽさを演じられるというのが楽しかったんですが、みんなの輪に入れない寂しさもあり、いろいろと複雑な思いでした(笑)。
――医療ドラマに出演する際に大切にしていることや参考にしている作品や人物などはありますか?
「ナースのお仕事」の時もちゃんとできるナースではなかったので、あまり看護師としての作業もきちんとやった覚えがないんです。
さらに、血を見ると怖くなってしまうという役でもあったので、「ザ・トラベルナース」で今回初めてちゃんとナースの仕事をすることになりました。
現場には看護指導の方もいらっしゃるので、何か映像を見てということもなかったです。
――医療ドラマならではのエピソードや面白かったことは?
ドクターを演じる方々は、覚えるせりふ量もすごいですし、「私はこの病名を言えない!」というせりふも多くて、ドクター役じゃなくてよかったなと思ってしまうくらい、とにかく難しいせりふが登場してくる回数が多かったです。
ナースチームはそういう難しいせりふがほぼほぼなかったので、「せりふが言えない、覚えられない、どうしよう…」というプレッシャーがあまりなく、私はのびのびと吉子を演じることができました。
また、話の中で、歩(岡田将生)さんと静(中井貴一)さんのテンポのいいやりとりをはじめ、くすっと笑える部分が面白かったですし、ナースハウスの寮母・たま子(池谷のぶえ)さんが私の癒やしでした!
――たま子さんのどういった所に癒やされていましたか?
たま子さんは池谷さんが演じられているのですが、まとう独特の雰囲気や絶妙な面白さ、そして、全てを包み込んでくれているような安心感など、寮母役として、とても素晴らしいプロフェッショナルな方でした。
うるさいナースたちの中で、ひっそり存在しているようで、みんなを包み込んでくれている池谷さん演じるたま子に撮影中はとても癒やされました。