綿貫が武四郎のことを「ぎりぎり一人前」と評価するが…
東京から戻って1週間もたたないうちに南は亡くなった。「気も紛れるんで」と葬儀の翌日から職場に復帰した武四郎は、新たにPICUに運ばれてきた気管支ぜんそく重責の紀來(阿部久令亜)と向き合う。男手一つで育ててくれる父に心配かけまいと発作をがまんしていた紀來に、武四郎は自分と亡き母を重ね合わせ、また父譲りの優しさで寄り添って、心を開かせた。
そんな武四郎のことを植野は「彼はうちには不可欠な人材です」と言い、厳しい綿貫も「ぎりぎり一人前」と評価した。
このまま武四郎が医師としてさらに邁進していくのかと思った矢先、状況が一変する。
終末期を地元で過ごすため、函館の病院に転院した圭吾(柊木陽太)を見舞った幼なじみの優里(稲垣来泉)が武四郎に会いに来た。
話すことができなくなってしまった圭吾の状態に、優里は「先生の嘘つき。圭吾に会った。函館に帰ってきたのは元気になったからって言ったじゃん。圭吾…死んじゃうんでしょ? 何で見捨てちゃったの? お医者さんなら治してよ」と涙ながらに訴えた。
そんな優里に武四郎は「本当にごめんなさい」と深く頭を下げた。その後、植野に向かって「医者って何なんですかね。分からなくなってしまいました」とつぶやいた武四郎。「僕たちにできることはあれ以上なかったと思うよ。僕も医者として本当に情けないんだけど」という植野の言葉に、「明日からまたしっかり頑張ります」と返したが、帰り道に映し出された武四郎の後姿は切な過ぎた。
その姿の意味は、翌朝判明した。植野の机の上に、武四郎が退職願を置いていたのだ。
「冒頭から泣きっぱなし」「号泣超えて嗚咽」といった声が上がってタイトルがTwitterのトレンド上位に入るなか、ラストの展開に「どうなるの」と動揺が広がった。
展開が早く、あっという間に感じた第9話。残り2話となった武四郎の物語をしっかりと見届けたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部