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「母にされて嫌だったことを、自分も子どもにしてしまうのでは?」と悩む女性へ、青木さやかのアドバイス【青木さやか「娘とわたし」#7】

2022/12/09 19:00

感情的になってしまったら

おでこちゃんさんのお母さまと、おでこちゃんさんの違いは、たとえ、同じことをしたとしても、自身の行動、衝動を抑えようとなさっているところではないでしょうか。

わたしは感情を、近い人、特に娘にぶつけてしまうことが多くて、それがどれほどに相手にとって負担なのかを頭に叩き込むことで、昔よりは一呼吸置けるようになりました。置けないときもありますが、すぐに「いけない」と気づけるようになりました。昔は、気づくこともできていなかったように思います。

感情をぶつけてしまったあとは後悔します。後悔は、自分の中で大きく残ります。相手がいいよ、と言ったとて、後悔の念は、自分が一番よくわかります。この行動や言動で後悔しないだろうか、と立ち止まること。これは、わたしが普段心がけていることの一つです。

なぜ感情が出るのか。なぜ言いたくなるのか。その理由も考えるようにしています。

たとえばわたしの場合、娘がやるやると言っていたのにいつまでも片付けをしない、加えてわたしの事情で心身が疲れているとき。こんなときは、感情が出がちです。このように「わたしの心身の状態が乱れていて、相手に期待する。こんなとき、わたしは余裕がなくなるのだ」と、自分をより細かく知っていくことも、衝動的にならないようにするひとつの手立てかな、と思っています。自分を知ることで、自分を客観的にみることができ、コントロールができるようになるのなら、それが自分を大切にすることにつながるのではないでしょうか(わたしも現在チャレンジ中のため、うまくいったらまたご報告します)。

子どもは成長し、変わっていく

おでこちゃんの娘さんは、五歳なのですね。うちの娘がそれくらいのとき、思えばわたしも今よりセンシティブに考えておりました。

まず、五歳のお子さんと暮らすというのは単純にとても疲れますよね。小さな言うことを聞いてくれないエネルギーの塊のような宇宙人相手に、こちらは疲れ果て衝動的に言葉が出てしまう、そういう方は多いのではないでしょうか(それだからいいというわけではなくて)。ですから何も特別おかしい、ということはないんだと思うんです。

私も、「子どもに対する自分の言葉や愛情のかけ方が、この子の人格を作っていく」というような説を聞いたりしますと、責任重大すぎて、親と同じことをしてしまうのでは、と不安になったりしていました。そう、今思えば、不安に思いすぎていたように感じるのです。

今、うちの娘は中学一年生ですが、想像以上にわたしのことを冷静に見ています。わたしが、どういう時に不安定になるのかを知っています。わたしに、どういう癖があるのかを知っています。その癖は、直したい癖ではありますが、そう簡単ではありません。だけど、わたしは、隠さない方がいいかな、と思っています。感情でものを言ってしまったら、「さっきはごめんなさい」と謝るようにしています。気をつけるようにしつつ、同じようなシチュエーションにならないようにも気をつけたい、とも話してみたりします。

それが正しいか合っているかは、わたしには全くわかりません。毎日試行錯誤です。あっという間に子どもは大きくなりますし、昨日と今日で全然ちがうわ、こんな感じだったっけ、と成長についていけず、どんどん違う問題や大変さがきます。ですが、5歳の頃と比べると、わたしの身体の負担は明らかに減りました。中学1年生の娘は自分で起きて、YouTubeを観ながら身だしなみを整え、好きな服を選び、いってきます!と出かけていきます。それに生意気ではありますが、5歳の時より話は通じます(笑)。

中学生になった娘は、想像以上にわたしの癖や、どんなときに不安定になるかを理解しています
中学生になった娘は、想像以上にわたしの癖や、どんなときに不安定になるかを理解しています(C)青木さやか

最後に。わたしは、自分の中に人に見せたくない部分があった時、先にそれを話したり伝えたりすることにしています。なぜなら、「隠す」ということは、人に知られたくないことがある、ということで、ひとつ隠すと、隠すことが増えて、本当でない自分で人と付き合っていかなくてはならなくて疲れてしまうからです。ですからわたしは、欠点を晒す、ということを恐れずやっています。あっけらかんと話せば意外と受け入れてくれる人は多いです。そうすることで、風通しが良くなり、人とも自分とも付き合いやすくなる気がしているんです。

長々と書きましたが、どこか参考になるところがあるといいなあと願いつつ。おでこちゃんが楽しく毎日を過ごされることを願っています!

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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青木さやか
1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ!」のネタでバラエティ番組でブレイク。2007年に結婚、2010年に出産。2012年に離婚。現在はバラエティ番組やドラマ、舞台などで幅広く活躍中。


この連載では、親子についてのお悩み相談を企画中。親子の関係についてのあなたのお悩みをお寄せください。


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