「これがプロだ」と感動
――ベテラン勢に囲まれた中での撮影で、一番感動したこと・学んだことがあれば教えてください。
家では座って練習しているので、実際に現場に来て、例えば「ドアを開けながら入って喋ってみて」と言われると、覚えていたはずのせりふが飛んでしまったりしたんです。でも皆さんは、喋りながらもお茶を入れてみたり、ジャケットを着たりと、演技中の所作のひとつひとつから役に入り込んでいるのがやっぱりすごいなと思いました。
一緒に撮影しているのに、その画を俯瞰で見ている感覚になることがよくあって、撮影を重ねるたびに、すごい場所にいるんだなと思っています。せりふのトーンや間ももちろんすごくて、何をしていても「これがプロだ」と感動します。
私は朝のシーンが多くて、10時半とかに撮影が終わったときにも、まだ午前中なのに一日をやり終えた充足感みたいなものがあって、撮影がある日は、一日すごく得した気分になっていました。
――乃木坂46卒業生たちの活躍は目覚ましいものがありますが、活躍の所以はどういったところにあると思いますか?
それは、現役の子たちが一生懸命走り続けてくれているからこそだと思います。現役の子たちがいるからこそ、卒業して「元乃木坂46」と名乗ることができて、声を掛けていただいたり、こういう時間をいただけているのだと思うので、現役の子たちには、今でもすごく感謝しています。
グループにいた時から、「グループには迷惑をかけないように」と人一倍心がけていたのですが、今でもグループに迷惑かけるのが一番嫌だと思いながら活動しています。
――最後に、今後の目標などがあれば教えてください。
乃木坂46在籍時も未来の話をするのが苦手で、「女優さんになりたい」とか「モデルさんになりたい」とかの発言はしてこなかったですし、実は、卒業しても自分が何をしたいか定まっていない状態でここまで来ているんです。
「何か目指すものがないと次のステップが踏めないのかな?」と思っていたのですが、力を貸してくださるスタッフさんや、応援してくださるファンの方がいてくれるおかげで、挑戦していきたいという自分の気持ちを強く持てました。
何になりたいか自分でも分からないけど、次のステップを踏んでみたいという子たちの先駆者というか、一番最初を走れているかなとは思うので、そういう子たちが、私が拓いていくレールをたどって、そこからまたみんなが新しいレールを引ければいいのかなと思います。
当時は「乃木坂46で一生懸命頑張れればいい」と思っていたし、そういう子が今も残っているのだと思いますが、いつかそういう子たちが卒業したときの道しるべになれたらいいですね。“一生懸命やっていれば何にでもなれる”という姿を見せられたらいいなと思います。