ちょっとしたかわいさを意識
――杉浦ゆきの役どころについてお聞かせください。
あいことの関わりで言うと、彼氏としてこうあるべきというか、「世の中のこれが常識」という意識が心の中にあって、それを相手にも真っすぐぶつけてしまう人物です。“当たり前”とされていることを当たり前だと思って、真っ当に生きていこうと思っていた人間だからこそ、あいこと出会うことでぶつかって変化していきます。
あいことの付き合い方や人間としての成長という部分でも、ゆきは一番大きく変化していくのではないかなと思っているので、そこを丁寧に演じていけたらなと思います。
――監督からは具体的にどんなアドバイスを受けましたか?
役と自分の実年齢にも差があって、役に合わせるには少し背伸びをしなくてはいけないのですが、年下の彼氏ということで、他のキャストとのバランスを見て、ちょっとしたかわいさなどを意識しています。
周囲との差を作るためにバランスを調整しながらも、「もうちょっとフラットに」「かわいさを残しすぎずトーンを下げて」といったアドバイスをもらったり、僕が「ここは少しコミカルだから、(トーンを)上げたいです」と言うと、「じゃあ周りの会話を落としてみようか」などと応えてくださり、相談しながら演じています。
――繊細な作業ですね。
最近、実年齢より上の役をやらせてもらうことが増えたのですが、だからといってみんながみんな大人っぽくなるわけでもなく、年上でもかわいらしい人物像もあるので、そういう部分を探りながら演じるのは新しい挑戦でもあり、勉強になっています。今回も新しい自分を探りながら演じています。
――以前、「人間味あふれるゆきを作りたい」と仰っていましたが、演じてみて手応えはいかがですか?
自分ではまだ満足していないのですが、4人でのごはんのシーンも増えてきて、あいこやともことは違う、しんたの独特な感じとも違う、落ち着いた人物像という部分が、ゆきのキャラクターとして生きてきているのではないかなと思います。
料理は一緒にやりたいタイプ
――ゆきと鈴木さんご自身の共通点、相違点はどんなところですか?
僕は掃除とかにこだわりがあるタイプなのですが、ゆきにも結構こだわりがあって自分の中での決まりごとがあるタイプなので、そこは似ている部分かなと思います。インテリアの配置だったり、自分が暮らしやすいようにするための決まりごとは多少あるかもしれないです。
ゆきの言う「女性に料理をしてほしい」などのジェンダーの観点からすると、僕はもっと許容範囲は広いです。料理に関しては自分も興味があって一緒にやりたいタイプなので、その点は違います。