2022年1月期に放送された「妻、小学生になる。」(TBS系)でドラマデビューした、沖縄出身の新人女優・當真あみの勢いが止まらない。1月16日にスタートした「ZIP!」朝ドラマ「パパとなっちゃんのお弁当」(毎週月~金曜朝7:50ごろ、日本テレビ系)でヒロインを務める他、日曜劇場「Get Ready!」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)、大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)と、1月スタートのドラマ3作品で、主演俳優と絡むキャストとして名を連ねた。正統派の“朝ドラヒロイン”のようなピュアな風貌を持つ高校1年生のスーパールーキーに、業界内外から熱い注目が集まっている。
“沖縄の逸材”はCMで芸能界デビュー
當真は2020年秋に沖縄でスカウトされ、人生初仕事として2021年7月にリクルートの企業CMでデビュー。当時まだ中学生ながら、“初仕事”にあたって「最初は状況が飲み込めなかったです。楽しみで、撮影はどんな感じだろう、初めての仕事だ、気合いを入れなきゃ!と思いました」と物おじせずコメントしており、大器の予感がプンプンしたのを覚えている。
その予感が確信に変わったのが、過去3者連続でのちの朝ドラヒロイン(のん、黒島結菜、永野芽郁)を輩出した「カルピスウォーター」の14代目CMキャラクターへの抜てきだ。前述の3人だけでなく彼女が憧れの俳優に挙げる長澤まさみら、今も活躍するそうそうたるメンバーが歴代担当してきており、人気俳優の登竜門的な位置づけ。この起用を受け、幅広い層に當真の名が広まった。
そんな彼女がドラマデビューを果たした「妻、小学生になる。」は、「週刊漫画TIMES」(芳文社)で連載された村田椰融による同名漫画が原作。10年前に愛する妻・貴恵(石田ゆり子)を失った圭介(堤真一)が、生まれ変わって10歳の小学生・万理華(毎田暖乃)になっていた妻と再会。 圭介と一人娘の麻衣(蒔田彩珠)はそんな妻(母)の姿に戸惑いながらも、10年ぶりに彼女に尻をたたかれ、叱咤(しった)激励され「生きること」に再び向き合おうとするストーリー。1月4日よりディズニープラス「スター」でも配信が始まった。
天才中学生小説家を好演
本作で當真は、生まれ変わりを描いた小説「君と再び」がベストセラーとなった中学生の“訳あり”天才小説家・出雲凜音を演じた。ドラマデビュー作にしていきなり、自分の体に他人(水川かたまり演じる高校教師・吉原)が憑依した女子中学生という複雑な役どころに挑戦。見た目は変わらずに違う人物を演じるというのは素人目に見てもかなり難しそうだが、彼女は見事にやってのけた。特に5話のラストで突然気を失って憑依した吉原が体から抜け、第6話で凜音としての意識を取り戻し、凜音の人格に戻る瞬間は鳥肌がたった。
それは気を失う直前まで一緒にいた神木隆之介演じる友利を「誰…?」とキョトン顔で見るシーン。役はともかく少なくとも“中の人”である當真は神木の顔を見たことがあるはずなのに、それすらも感じさせない「はじめまして」の表情を見せたのだ。この2人はここがファーストコンタクトなのかしら?とすら思えるくらいの「誰…?」だった。
筆者が、當真について「これがドラマデビューとは末恐ろしいルーキーだね」と、編集部内で近くに座っている人に話し掛けたら、「(あなたは)誰…?」とけげんな顔をされたのをよく覚えている。同じ会社でもお互いの顔を知らないのはリモートワークあるあるだが、同作での當真と神木はまさにそのくらいの“初見感”だった。共演シーンの多かった神木をはじめ、天才子役の毎田や蒔田など若き芸達者の名演技も目立った作品だったが、當真の演技もキラリと際立っていたのは間違いない。
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