俳優の内野聖陽と瀬戸康史が2月7日、東京・PARCO劇場にて行われたPARCO劇場開場50周年記念シリーズ「笑の大学」公開フォトコールに出演。内野が、共演の瀬戸について「信頼関係もバッチリできた」とコメントした。
1996年に初演された「笑の大学」は、第2回読売演劇大賞で「最優秀作品賞」を受賞した三谷幸喜の傑作二人芝居。ロシア、韓国、中国、フランスでも翻訳上演されたが、1998年の再演以来、一度も日本では上演されていない同作が、2月8日より東京・PARCO劇場にて上演する。
舞台は、戦争色が濃厚になる昭和15年。登場人物は、内野演じる警視庁検閲係・向坂睦と、瀬戸演じる劇団「笑の大学」座付作家・椿一。非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演許可をもらおうとする椿に対し、執拗なまでに台本の書き直しを注文。上演中止へと追い込もうとする向坂に対し、椿は無理難題を逆手に取り、あくまで真正面からの書き直しに挑戦する。
戯曲「悲劇 ジュリオとロミエット」を書き直し
この日のフォトコールでは、本作で描かれる7日間の物語の内、5日目と6日目を公開。「ロミオとジュリエット」のパロディーであった戯曲「悲劇 ジュリオとロミエット」は、向坂の検閲を経て設定が大きく変わり、登場人物がすべて日本人に。キスシーンも、「キスをしようとするたびに邪魔が入る」というギャグへと変更になっていた。
向坂の細かすぎる注文に不満を口にしながらも、前向きに台本を書き直していく椿。演じる内野と瀬戸は、小気味良くせりふを掛け合い、抜群のコンビネーションを発揮する。
瀬戸康史「(稽古期間は)どの作品よりもあっという間でした」
上演を前に内野は「お客様の皆さんと一緒に心地良く『笑の大学』という劇世界を旅したい」とコメント。さらに瀬戸について「瀬戸くんとはせりふの掛け合いが日々面白くなり、信頼関係もバッチリできたように思っています」とも語った。
また、瀬戸は約1カ月の稽古期間を「今まで関わってきたどの作品よりもあっという間でした」と回顧。内野について「今では、大変な時も楽しい時も共に味わった大切な相棒…だと勝手に思っています(笑)」とし、「これは、向坂さんと椿さんが台本直しを通じて感じていくことと近いような気がしています」とも表現していた。
◆取材・文=山田健史
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