分散収録だからこそ明確になる、一緒に録る意図
――他にアフレコで印象に残っていること、裏話のようなものがあれば教えてください。
上村:やっぱり不破の缶コーヒーでしょ(笑)。
市川:僕、その収録にはいなかったんですよ。どういうことなんですか?
福山:上村くんたちは若いから分からないと思うけど、缶コーヒーを下から投げてパッと取るというのは、昭和を生きてきた我々世代にとってはトレンディードラマはなはだしいだろうっていうツボがあるのよ。しかも馴染みすぎているから、「不破って高校生だよな?」っていう物議が(笑)。現場では1つの事件でしたね。
近藤:浅沼(晋太郎)さん(滝川雅貴役)に「缶コーヒー投げおじさん」ってあだ名付けられましたよ(笑)。
上村:あとはマサさんのジャケットTシャツサングラスでウケていましたよね。
福山:あれ、完全にバブルのスタイルだから。
市川:マサさん、23歳なのに。
上村:この記事を読まれる方って若いから、この話分かるんですかね?
福山:「ツルネ的」に言えば先輩が残してくれた遺産なので、ぜひ調べていただければ。原点に触れたときの感動を味わってください。
――アフレコはどのような雰囲気で進んだのでしょうか?
福山:コロナ禍で分散収録になり、「ツルネ」も1話収録に出演者全員が集まるという形ではありませんでした。該当シーンを録る人しかブースにいないので、ハプニングみたいなものは正直いうとないんですよ。ただ、シーンを共有するメンバーだけが集まるからこそ、何を狙っているのかが明確になるというのはあります。例えばこの4人での収録があったとします。ここに静弥(市川)がいるのは意外だけど、必要だからこそ一緒に録る。そうなると、じゃあどんな芝居が必要なのかも明確になってきます。集まる顔ぶれによってシーンと芝居の意図が分かるというのは、分散収録だからこそ得られる発見かなと思います。
――現在11話まで放送され、残すところあと2話となります。クライマックスに向け、風舞代表で上村さん、辻峰代表で福山さんからメッセージをお願いします。
上村:いよいよ全国大会が始まります。風舞も辻峰も桐先も、それぞれに変化があり、成長して力を付け、この大舞台にやってきました。どこが勝って、どこが新しい景色を見るのか全く予想できないでいるんじゃないのかと思います。注目していただきたいのは、やはり射の演出で、とても素敵ですね。第1期からずっと素敵なんですが、全国大会ではそれを上回る映像になっていて、それぞれが成長して得てきたものを投影するかのように、力強さ、鋭さが加わり、乗っている想いを感じられる演出で見せてくれます。もちろんみんなの会話もあって、その中での感動を誘われる場面もたくさんあるので、彼らがどういう風に弓道に向き合っているのかを見届けていただけたらと思います。
福山:今までの積み重ね、ここにたどり着くまでにあったことがしっかり受け取れる映像になっていると思います。そこはもう絶対期待に応えられると思いますし、何よりこの全国大会の中で改めて感じるのは桐先には桐先としての轍(わだち)があって、風舞には風舞の轍があるということ。辻峰は辻峰で担っているものが試合を通してしっかり描かれていきます。11話を観たあとということで、きっと僕らを応援してくれる人は激増しているんじゃないでしょうか。僕はあの11話には、今まで10話を使って描いてきたからこそのカタルシスをものすごく感じました。ぜひ最後のエンディングまで目を離さず観てください。
■取材・文/鈴木康道
撮影/入江達也
https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=f62rqcmn3p56cxtbaas4ke7mc
▼『ツルネ -つながりの一射-』作品ページ▼
https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=5p4dvkfdxk81v1y6nz78dy2bc
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