若林、“南海キャンディーズ”に衝撃を受ける
そして、「M-1」決勝当日。春日と共に生放送を観ていた若林は、“南海キャンディーズ”という男女コンビに「このコンビ、優勝しなくても勝ちだよ」と衝撃を受ける。準優勝した“南海キャンディーズ”に、「2位でも売れるね!」と上から目線で拍手を贈る春日。それに対し、「バカじゃねーの」とボソッと吐き捨てた若林。「オレら、こんなトコ行けるワケねーじゃん。何が“『M-1グランプリ』で優勝”だよ」と、実は何もしてなかった自分に怒りをぶつけた。
そして春日に、「オマエ、芸人やめたい。って思わねーの?こんな状況でも楽しいって思えるの?」と尋ねる若林。春日は、少し考えて「まぁ楽しいですからねぇ…何と言ったらいいか…」と返答に困る様子を見せる。そんな春日に若林が「オレと芸人やってくれる?」ときくと、「まかせます」と返ってきた。「オレが、やめたい。って言ったら?」ときいても、「まかせますよ」と答える春日。
常にツラい若林、常に楽しい春日
続けるのも、やめるのもしんどくて、「オマエが、やめたい。って言ってくれたら、やめれんだけどなー」と繰り返す若林に「やめたいんですか?」と逆に尋ね、「やろうって言ったのは若じゃない」と言う春日。この一言が若林を爆発させた。「やめるのもオレが決めなきゃいけねーのかよ!」。若林は今のもがき苦しむ状況から、もう解放されたいのだ。でも、自分からやめる勇気が無く、誰かに引導を渡してもらいたいのだ。だが春日は、「アタシャ、楽しいからね…」と、相変わらず「楽しい」と言うばかり…。
「何で楽しいんだよ?何でツラいのもやめるのも続けるのもオレなんだよ!“ボクはまだ頑張れたんですけど、相方が限界なので解散します”って言わせてくれよっ!!」と叫ぶ若林。しかし、春日は「ワタシは…まかせる。としか…」と、人まかせな姿勢を崩さず、堂々巡りで終わりが見えないやりとりに、若林は様々な感情が大渋滞して頭がおかしくなりそうだった。
1人で苦しみを背負っている若林が見ていてツラい。「20年後に、東京ドームで漫才をする事になるよ」と教えて、ラクにしてやりたい。だが、絶対信じないだろう。“オードリー”と改名した彼らが、「夢見るにもほどがある」と思っていた「M-1」決勝に敗者復活し、準優勝を遂げるのは2008年。あと4年の辛抱だ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
※高橋海人の「高」は、正しくは「はしご高」
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