キャストへの信頼と責任…決めていたのは“折れない”こと
――山田さんの姿勢に刺激を受けたというキャストも多かったのですが、今回の現場で心掛けていたことを教えてください。
とにかく細部にまで目をこらしていました。“今の反応だと伝わらないんじゃないか”と思ったら伝えにいったりと、とにかくもったいなくならないように意識していました。
それは自分も含めてなのですが、少し目線動かすだけで、少し頷くだけで、せりふの音が1音違うだけで、聞こえ方や、相手の受け取り方が全然違うので。いつもだったら、監督やプロデューサーさんの意見に対して「分かりました」と、時には自分を押し殺すというか、折れることもあったのですが、今回は絶対に折れなかったです。
――「折れない」というのは初めての感覚に近いのでしょうか?
簡単にいうと、そうかもしれません。でも、そこには並々ならぬみんなへの信頼と、“お芝居で見せつけなきゃ”という気持ちと、いろんなものが成り立ったからこそで。
これまでいろんな作品でいろんなキャラクターを演じてきて、「あのシーンこうした方がよかったかもな」と思う部分はたくさんあって、どの作品においても考えをやめたことはありません。そんな中、「ペンディングトレイン」に対して “僕の集大成をここでぶつけるべきだ”と感じたんです。
――他のキャストから山田さんがアドバイスをくださったという話をお伺いしたのですが、他の現場でも共演者へのアドバイスを積極的におこなっているのでしょうか?
(アドバイスは)絶対にしないです。他の俳優さんに「こうした方がいいんじゃない?」って言ったことないですね。みんながアドバイスをくれたって言ってくれているのは、向こうから聞いてきてくれたからです。
シーンによっては、監督に意見を伝えたりすることはあるのですが、そういう話をしている時に小春(片岡)と和真(日向)も入ってきてくれて…ということはあったかもしれません。小春に関しては「放送を見ていると、あまり自分の感情が見えてこないんですけど、どうやったらいいんですかね」と聞いてきてくれたので、相談に乗ったりもしました。
――直哉は優斗と徐々にバディらしくなっていますが、優斗役が赤楚さんで良かったと感じる瞬間や、助けられたことがあれば教えてください。
俳優としての面でいえば、第1段階目で相手のお芝居を受け取って返していくということは、どの現場でも、どの俳優さんでもやることだと思うんです。でも、僕が彼で良かったなと思うのは、それ以上に踏み込んでくれたなと感じるからで、俳優としてじゃなくて、人として心を開いてくれたことが大きいかもしれません。
ある日、俳優としてじゃなく、彼自身のこと、僕自身のこと、今まで生きてきた環境や、これまでの人生について話し合った時があったのですが、彼が愛や孤独を捉える感覚が僕と一緒だったんです。その時間を経て、非常に深いところでつながった感覚があって。
その時に、彼はものすごく真っすぐな目で「この作品で山田くんに出会えて本当によかったです」と言ってくれて。「こんなに素を出したことはないんです、初めて僕この話しました」と。お芝居でどれだけ作ろうとしても作れない、“本物のバディ”にたどり着くきっかけをくれたような気がしていて、すごくうれしかったですね。
https://www.paravi.jp/watch/111494
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東京ニュース通信社
発売日: 2023/04/21