俳優の広瀬すずが7月11日、都内で行われた映画「キリエのうた」(10月13日[金]公開)の完成報告イベントに、主演のアイナ・ジ・エンド、共演の松村北斗(SixTONES)、黒木華、粗品(霜降り明星)、大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉、メガホンをとった岩井俊二監督とともに登壇した。
「監督:岩井俊二×音楽:小林武史」による新たな映画「キリエのうた」は、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄(ほんろう)され、切なくもドラマティックに交錯していく男女4人の人生を描く。
広瀬すず、岩井俊二監督は「いつも疲れ果てている」
過去を捨て、名前を捨て、キリエのマネジャーを買って出る謎めいた女性・一条逸子(真緒里)を演じる広瀬は、「ラストレター」(2020年)以来、久しぶりとなる岩井監督作品への出演に、「岩井組ってこんな感じだったなってすごく思いました。北海道のロケのときに、岩井さんが自ら携帯の光で、右手で照明、左手でカメラって姿を見て、手作り感がすごいなと思って、一瞬一瞬、“今だ!”ってときに撮られるので、ライブ感があって楽しかったです」と声を弾ませる。
MCを務めた粗品から岩井監督はどんな人か追求されると「少年のような、でもいつも疲れ果てています」と打ち明けて会場の笑いを誘った。
これに岩井監督は、最近徹夜続きだったことを明かし「今は労働基準法問題とかもあるので、その分、全部自分に来るんですよね」と嘆き、スタッフを帰した後に自身が寝ずに作業を行っていたことを明かし、「やっとここに間に合ったって感じです。こんな自分を褒めてください」とお願いし、会場から拍手を浴びた。
奥菜恵「『広瀬すずちゃんに似てるね』って言われたことがある」
また、岩井監督が親子役をキャスティングする際「間違いなくDNAでつながっているなっていうところを意識する」と明かすと、真緒里の母・広澤楠美を演じる奥菜は「1回だけ『広瀬すずちゃんに似てるね』って言われたことがあります」と告白し、広瀬は「うれしいです」とにっこり。
なお、奥菜も久しぶりの岩井組だったそうで「岩井さん特有の空気感があって、それに懐かしさを覚えたのと、その空気が私はものすごく好きなんだなと感じた現場でした」としみじみ。
粗品から「どんな空気感なんですか?」と追求されると、奥菜は「言葉で言い表しにくいんですけど、決して盛り上がっているわけではないですけど(笑)」と返答に困り、粗品は「え? 現場が盛り上がってない?」と突っ込んで笑わせた。
◆取材・文=風間直人
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