高校時代に結んだ“淑女協定”
瑞貴から話を持ちかけて、高校の時に“親友”になった2人。親友ではあるが、2人の間にいろんなことがあったことが明らかになっていく。
部活中、雨宮と江田が他の女子生徒からの人気が高かったが、すいが江田のことを好きなことを知って、「あるあるだ。親友との好きな人かぶり」と言って、「江田って優柔(不断)だから告られたら押されてOKしちゃうところがあると思う。それだと恋の先着順って感じで嫌じゃない? だから紳士協定...、淑女協定か。向こうから告られるまで自分からは無しにしない?」と提案した。
しかし、それはすいへの牽制で、実際は瑞貴が抜け駆けして江田に告白をしている。すいは偶然、その現場を見てしまっていた。
恋人が現れず、瑞貴はすいが嘘ついているのではないかと疑い始める
2年前に結婚したということを聞かされて、すいは驚いたと思うが、高校の時の瑞貴のことを思い返すと、そういうことがあり得ることは頭の片隅にあったのかもしれない。
瑞貴と別れた後、一人でラーメンを食べ、替え玉までしている時のすいの気持ちは、公文が言うとおり、謎ではある。
瑞貴と次に会う約束をしたすいだが、困ったことが一つある。恋人がいるとウソをついてしまったことで、お互いパートナーと一緒に食事をすることになり大ピンチ。意を決して公文に恋人のフリをしてほしいとお願いするが、作者は物語に入らず、俯瞰で見たいと言って断られてしまう。
会食当日、すいが、恋人は仕事で遅れていると言い訳をして引き延ばしていると、江田は無理せずリスケでもいいと言ってくれたが、瑞貴は頑として譲らず執拗に食い下がる。
そこに登場したのが雨宮。すいにとって雨宮は“救世主”になるかと思われたが、それでも瑞貴はおさまらず、夫婦げんかになりそうな雰囲気に。
過呼吸でピンチのすいの前に現れた真の救世主
江田と瑞貴がいがみ合っているのを見て、すいは高校の時の出来事がフラッシュバックした。バイク事故を起こして、雨宮が試合に出られず敗退してしまった後、江田が言った「お前が死ねばまだよかったわ」という言葉。それと、瑞貴の「学校、居づらいよね。お願い。消えてほしいの、私と彼の前から。親友でしょ?」という言葉も。
根強く残るトラウマに過呼吸になるすい。そこに本当の救世主が現れた。あれほど嫌がっていた公文が手を振ってにこやかに登場した。瑞貴の「彼氏さんですか?」に「はい」と答え、「いいのかな? 遅れてきて、俺がお誕生席で」と公文が言うと、すいの過呼吸もおさまり、「許す」と返した言葉には“安心感”が感じられた。
すいの気持ちを読み取るのは難しいが、ここにやってきた公文の気持ちも計り知れない。しかし、2人の間には何か特別な関係性が生まれ始めているような気がした。作者と作品のヒロインのモデル、この2人の今後の展開に注目していきたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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