前回、主催者死亡という衝撃の展開を迎えた「なれの果ての僕ら」(毎週火曜深夜0:30-1:00ほか、テレビ東京系ほか)。8月22日に放送された第9話は、善良を絵に描いたようなネズ(井上瑞稀)が“闇落ち”するという思いも寄らないストーリーだった。(以下、ネタバレを含みます)
「なれの果ての僕ら」とは
同ドラマは、「週刊少年マガジン」および「マガジンポケット」で連載・配信された内海八重の漫画が原作。同窓会に集められたクラスメート23人を襲うのは、誰も予想だにしていない監禁劇だった。極限状態に追い詰められたときに暴かれる、人間の“狂気”を克明に描いた衝撃のサスペンス作品だ。
主人公のネズ(真田透)を演じるのは、NHKドラマ「麒麟がくる」などに出演したHiHi Jets・井上。さらに監禁事件の首謀者であり、“人間の善性”への興味から残虐な実験始めた夢崎みきおという難しい役柄を、実力派俳優・犬飼貴丈が演じる。
みきおを殺した犯人は“死人”
教室でみきおの死体を見つけたネズ。全員が集まり「これで終わった」と安堵(あんど)する空気が流れたものの、一方で実験場から逃げ出す手段はわからないままという状況にあった。教室やみきおの遺体を調べても、各所に仕掛けられたというわなを解除するための装置などは見つからない。
さらにもう1つ、問題が見つかった。みきおが所持していたはずの拳銃2丁がどこにもないのだ。もう実験場には“被害者”であるクラスメートしかいないはずだが、誰もみきおの殺害、銃の所在を明かす様子はない。いったいなんのために、誰が銃を持ち、それを隠しているのか…。
みきおは首もとにうっ血した跡があり、わずかに掻きむしったような傷も。間違いなく自殺ではない。不穏な空気のなか、部屋へ入ってきた雨宮鈴子(大原優乃)と葉月依莉奈(紺野彩夏)から「桐嶋さんがいないの」という爆弾ワードが投下された。
「遺体を動かしたってことか?」という質問を受けて明かされたのは、桐嶋未来(大原櫻子)が“実は死んでいなかった”こと。たしかに彼女の死は鈴子と依莉奈の2人から口頭で告げられたに過ぎず、誰も遺体の確認まではしていない。虚をついてみきおを殺すため、未来本人が恋人のネズにすら自分が生きていることを口外しないよう、鈴子と依莉奈に依頼したようだ。
ただ、未来はみきお殺害に成功した場合は出てくる手はずになっていた。銃2丁の行方もわからず、目的を果たしても名乗り出てこない未来。不安が爆発したネズは、教室から飛び出して未来を探しに行く。