鬼神を見る驚愕の真希、人間的な感傷を見せた漏瑚
今話のハイライトは甚爾の無双ぶりであったが、それ以外にも多数の注目ポイントが描かれた。甚爾と同じフィジカルギフテッドの禪院真希(CV.小松未可子)は、自身よりも高みにいる乱入者の強さに驚愕の目を向ける。呪術界の御三家・禪院家に生まれながらも呪力を持たず、一族から蔑まれ、忌み嫌われてきたのが甚爾であり、今同じ立場にいるのが真希だ。真希の目指すところは禪院家の当主。呪力を持たない自分が当主になり、禪院家を見返してやることを目標に、高専に入り、腕を磨いてきた。そんな真希にとって、目の前で繰り広げられた鬼神の戦いは、自分の到達点を見る気持ちだったのではないか。
そして、漏瑚。「逝ったか…」と、消えてゆく陀艮を見送る漏瑚の声は感傷に満ち、その一つ目は驚くほど穏やかなものだった。漏瑚、花御、陀艮、真人はただ災いを振りまくだけの呪霊とは一線を画す存在だ。人の偽りのない負の感情から生まれた自分たちこそ「真に純粋な本物の“人間”だ」という矜持と仲間を想う気持ちを持っている。特に漏瑚は「100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない 呪いが人として立っていればそれでいい」と、自身は礎になるための覚悟すら持っている。そんな漏瑚の“人間らしさ”を絵1つ、声1つで表現するアニメーター、声優の力量に改めて感嘆する場面でもあった。
最後に、宿儺。美々子(CV. 松田利冴)、菜々子(CV.松田颯水)を冷酷に惨殺した姿は直前に漏瑚が見せた人間的な一瞬を消し、彼らが人の世にいてはならない“呪い”なのだと思い出させる。漏瑚が言う虎杖悠二(CV.榎木淳弥)との“縛り”を拒否した宿儺には、自分なりの計画があるらしい。その一方で、「指の礼だ 俺に一撃でも入れられたらお前らの下についてやる」と宣言する。呪いの王・両面宿儺に漏瑚の力はどこまで通用するのか。こちらの対決も楽しみなところだ。
■文/鈴木康道
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