マーベル・スタジオのドラマ最新作「ロキ」シーズン2の最終回となる第6話「大いなる目的」が11月10日に配信された。これまでのロキ(トム・ヒドルストン)からは考えられない行動なども随所に見られ、SNSでも「神回」と大きな反響が。「ロキの成長の仕方がすごい」「完璧なドラマ」「感動！」「見終わってぼーっとしてる」などさまざまな声が寄せられ、一時はX(旧Twitter)のトレンドランキングで世界1位に躍り出るなど、大きな注目を集めてシーズン2は終幕した。(以下、ネタバレがあります)
ロキの“タイムスリップ”が大きな鍵に
シーズン2の第1話からロキの身に起こっていた“タイムスリップ”。これはシーズン2を通して大きな意味を持つものとなっていた。シーズン1の最終回で、神聖時間軸の“時の終わり”にある「シタデル」にロキとロキの変異体・シルヴィ(ソフィア・ディ・マルティーノ)が入り、“在り続ける者”と対面することができた。そこでロキたちは「“在り続ける者”(ジョナサン・メジャーズ)を殺して全てを破壊する」と「ロキとシルヴィがTVAを支配する」という2択を迫られた。
前者は、その後ずっと数え切れないほどの“在り続ける者”の変異体を相手にしなければならないというキツイ条件付き。ロキは慎重に考えようとするが、シルヴィが“在り続ける者”を殺害してしまう。それによって神聖時間軸の分岐が止まらなくなった。
“時間織り機”は多くの枝分かれを織り上げるように作られてないためオーバーロード気味に。枝分かれがこのまま伸びていけばメルトダウンしてしまい大きな危機を迎える。織り機の容量を増やさないと枝分かれの処理ができないということで、増幅器で容量を増やす作戦に出た。作戦は、防護服を着たヴィクター・タイムリー(ジョナサン・メジャーズ／二役)が増幅器を持っていってセットするというもの。チャレンジしてみるが、一歩踏み出すかどうかというところでタイムリーは“スパゲティ化”して消滅。原因は時間放射線が強過ぎたからで、他の仲間たちも消滅してしまい、一人になったロキはタイムスリップした。
最初はタイムスリップをコントロールすることができなかったが、ウロボロス(キー・ホイ・クァン)の助言によってコントロールすることが可能となっていた。仲間が消えた今、まさにその能力を駆使する時がきた。ロキが時間移動したのは、タイムリーが増幅器をセットしに行く直前。防護服を着たタイムリーは、以前ロキが目撃した通り、スパゲティ化して消滅した。ロキはウロボロスに「どうすれば良かったんだ？」と聞くと、「時間をかけ過ぎた」という答えが返ってきた。それを聞いたロキはタイムリーが出ていく直前に再びタイムスリップ。ロキは、ウロボロスがタイムリーに説明しているのに割って入り、「防護服を着て、ドアが開いたら、出来るだけ早く通路を進む。倍増機をセット、緑のボタンを押して発射。戻る！」と簡潔に説明。しかし、タイムリーはまたしても消滅。ロキはタイムスリップし、同じ説明をして「“さっき”より急げ！」とタイムリーを送り出す。しかし結果は同じ。
「時間をかけ過ぎた」ことが問題ではないと気付いたロキは、もっと前(過去)にタイムスリップ。倍増機を作るところまで遡り、そこで改良を加え、タイムリーがセットするまで来たが、結果は同じ。何度も何度も繰り返すが、うまくいきそうにない。
今度はウロボロスにタイムリーを紹介するところまで遡ってやり直す。構造の問題だと思ったロキは、ウロボロスの知識を自分の中に全て入れようと考えた、タイムスリップを利用して。「私がお前の知識を全部自分のものにするのにどれぐらいかかる？」と単刀直入にウロボロスに聞くロキ。「数十年」とウロボロスは答えるが、タイムリーは正直に「数百年だ」と知らせた。普通の人間ならそこで諦めてしまうが、ロキは“神”なのでそうはならない。タイムスリップを何度も何度も何度も何度も繰り返し、知識を自分のものにした。ここで出た字幕が「数百年後」だった。
その知識を生かして作った倍増機を、再びタイムリーがセットしにいくことに。もちろん、タイムスリップが出来るロキ以外は初めてのこととなる。防護服を着たタイムリーが外に出てもスパゲティ化せず、強い向かい風のようなものに押し戻されそうになりながらも前へ前へと進んでいく。処理速度倍増機をランチャーにセットし、緑のボタンを強く押して発射。うまく時間織り機にセットすることができ、タイムリーも消滅せずに戻ってきた。
シルヴィを止めるべく奔走
時間織り機が正常に作動していて、時間軸を一本化し始めた。しかし間もなく、時間織り機に異変が生じた。ウロボロスの見解は「枝分かれが多過ぎる」だった。時間の枝分かれが複製されてどんどん広がっていく。無限の速度で。それをタイムリーは「0で割るようなものだ。どれだけ処理速度を上げても解決することが出来ない」と例えて、「織り機は必ず崩壊する」と断言。
次にロキがタイムスリップして向かったのは、シーズン1の最終話で“在り続ける者”と会った時だった。結局は、この時の2択を誤ったと判断。そこに戻って、シルヴィが“在り続ける者”を殺すのを阻止しようと考えた。シルヴィは「私を止めたいなら殺しなさい」とロキに言う。ロキにシルヴィが殺せるはずがない。ここでもロキはシルヴィを止めるために何度も何度も何度も何度もタイムスリップをして阻止することを試みた。
その度に殺される“在り続ける者”に、ロキが「どうして彼女を止めないんだ」と聞いた瞬間、“在り続ける者”はシルヴィの動きを止めた。“在り続ける者”は「これで何回目なんだ？」と言った。ロキがタイムスリップしていることも分かっていたのだ。「タイムスリップしてるんだろ？ その道を誰が敷いてやったと思う？」と、タイムスリップ自体が彼の仕業だと明かした。そしてもう一つ、「時間織り機はただの安全装置。枝分かれで負荷がかかると、神聖時間軸以外を自動に刈り取るように出来ている。TVAは巻き添えで犠牲にしてもまた建て直せる」と、時間織り機の役割も明かした。ロキは自身の答えを導き出した。「方程式を変える。織り機を壊してやる」と。
その後、紆余曲折を経てタイムリーが防護服を着る直前に戻ったロキは、タイムリーを送り出すのではなく、「もう分かっている。どんな神になるべきなのか。お前たちのために、我々のために」と言い残して扉を開けて時間織り機の方に向かっていった――。
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