じわじわと人気が広が注目度が高まっている台湾の映像作品を、WEBザテレビジョンでも特集。台湾ホラーブームがよく取りざたされているが、実は台湾サスペンスも各映像配信サービスなどで配信が続き、近年かなりの盛り上がりを見せている。本記事では、「悪との距離」「模倣犯」「台湾・クライム・ストーリーズ」「The Victims’ Game 次の被害者」「罪の後」という5本の名作を通して、台湾サスペンス作品の魅力を紹介したい。
社会現象といわれるほどの反響を巻き起こした社会派ドラマ「悪との距離」
ある無差別殺人事件を軸に、加害者やその家族、加害者の弁護士、被害者の遺族、メディア、世間の目など、さまざまな視点から、“悪との距離”を描いた全10話のドラマ。社会現象といっても過言でないほどの反響を呼び、台湾版エミー賞といわれる金鐘獎では作品賞や主演女優賞などの主要6部門で栄冠に輝いた。
2年前に映画館で起きた無差別殺人事件で息子を亡くした報道局副局長のソン・チャオアン(アリッサ・チア)は、仕事に打ち込みながらも酒におぼれる日々を送っている。あるとき、アルバイトのリー・ダージー(チェン・ユー)の適性を見抜いて業務を任せたチャオアンだったが、実は彼女は息子を殺した無差別殺人犯の妹だった。
見どころは、重いテーマに真向から取り組んだ骨太なストーリーだ。世間から批判されながらも信念を貫こうとする加害者の弁護士、社会からつまはじきにされる加害者家族、無責任な世間の声など、悪とは何かを考えさせられる。
日本の大ベストセラー小説を大胆な改変でドラマ化した「模倣犯」
宮部みゆきのベストセラー小説「模倣犯」を原作とした、全10話のNETFLIXオリジナルドラマ。2023年に独占配信が始まると、台湾・香港・タイ・ベトナムなどで週間チャートの1位に輝いた。原作にはいない検事を主人公に据えるという大胆な改変をしつつも、原作を損なわない良作に仕上がっている。
切断された女性の手首が入ったギフトボックスが、公園で発見された。これが連続殺人である可能性に気付いた検事のグォ(ウー・カンレン)は、残酷で狡猾な犯人とのゲームに足を踏み入れていく。被害者や被害者家族の心を蹂躙し、事件をショーのように世間に誇示する犯人を、グォは止めることができるのだろうか。
「模倣犯」はこれまでも、日本で映画やドラマスペシャルとして映像化されてきた。だが、文庫本で全5巻という原作の圧倒的なボリュームを考えると、2時間ほどの映画に詰め込むのではなく、全10話のドラマという本作の形は作品にマッチしているように思う。マスコミや世間が犯人に踊らされていくさまと、犯人を追い詰めるクライマックスのシーンは必見。
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■【ドラマ】台湾・クライム・ストーリーズ
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■【ドラマ】模倣犯/B]
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■【ドラマ】次の被害者
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■【映画】罪の後
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