<下剋上球児 最終回>鈴木亮平“南雲”、甲子園出場を決めて“日本一の下剋上”を達成「次を目指している限り、人は終われない」
どんな手を使ってでも勝ちたくなってきた
しかし7回裏、アンダースローの阪を攻略した伊賀商業が2点を挙げ「3対5」に。1アウト、ランナー1・3塁のピンチを迎え、ここで切り札であるエース犬塚翔(中沢元紀)がマウンドへ。伊賀商業がスクイズで追加点を狙うが、キャッチャー・日沖(小林虎之介)の好判断でダブルプレーを取り、2点ビハインドのまま8回へ。
「こうなったら絶対勝ちたくなってきた」と熱くなる南雲。「どんな手を使ってもいいから、卑怯な手でも、姑息な手でも、連続敬遠したっていい、どんな手を使ってでも勝ちたくなってきた。それでもいいか?」と部員たちに問いかけると、「ルールに則ってたら姑息もセコイもないです」「何言われたってええ」とそれに応える。
8回表、代走の久我原(橘優輝)の頭脳プレーや楡(生田俊平)の意地のヒット、中世古(柳谷参助)、阪の好打で3点をもぎ取り逆転に成功。9回裏、ノーアウト満塁というピンチを迎えるが、根室の攻守もあり、最後は4番打者を三振に仕留め、甲子園出場を決めた。
甲子園出場という夢をかなえた部員たちは、それぞれの道へと進んでいく
決勝戦を戦うその裏で、もう一つ大きなプロジェクトが動いていた。甲子園出場には高額な費用がかかることが判明し、校長の丹羽(小泉孝太郎)は、地元の有力者たちを集めて話し合ったりしていた。こちらも難問ではあったが、多くの協力者を得て、目標金額を達成することができた。
甲子園出場という“日本一の下剋上”を実現した越山高校野球部。それから時が流れ、2023年の冬、犬塚は越山高校野球部でコーチを務めているが、野球部部長の山住から工員採用選考試験を受けることを勧められる。ピッチャーとして大きく成長した根室は、スカウトされ大学に進学し、その後社会人野球の選手として活躍している。
キャプテン椿谷(伊藤あさひ)は市役所に勤務し、俊足の久我原は自転車のプロチームでスピードをさらに上げている。日沖と楡は旅行会社を立ち上げ、南雲は野球指導者として子どもたちにも野球を教えている。
試合に勝つことだけでなく、人生における困難の乗り越え方を身をもって教えた。それが南雲の大きな功績だったのではないだろうか。「次を目指している限り、人は終われない」という言葉が視聴者の心にも響いたはずだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※このドラマは「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画されたが、登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションです。
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