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約460億円…台湾では国がコンテンツ産業を支援、有識者が語る国際的コラボを推進する台湾エンタメの“今”

2023/12/28 12:00

TAICCA(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)」の董事長・蔡嘉駿(ツァイ・ジャジュン)氏が、近年盛り上がりを見せる台湾エンタメの今について語ってくれた。
TAICCA(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)」の董事長・蔡嘉駿(ツァイ・ジャジュン)氏が、近年盛り上がりを見せる台湾エンタメの今について語ってくれた。※提供写真

近年、盛り上がりを見せている台湾映画・ドラマをWEBザテレビジョンで大特集。2023年を振り返ると、台湾映画のヒット作「1秒先の彼女」のリメイク版「1秒先の彼」が、岡田将生・清原果耶のW主演で公開されたり、宮部みゆきのベストセラー「模倣犯」が台湾ドラマとしてNETFLIXで世界配信され、秋には台湾映画の上映祭「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」が都内で開催されるなど話題が続いた。さらに、韓国の世界的ヒットドラマ「梨泰院クラス」も台湾でリメイクが発表され、海外リメイク作品の動きも活発化している。この盛り上がりについて、台湾でコンテンツ産業を支援する「TAICCA(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)」の董事長(代表)・蔡嘉駿(ツァイ・ジャジュン)氏に、台湾コンテンツの今について話を聞いた。

台湾は国をあげてコンテンツ産業を支援、その額年間100億台湾ドル!


――映画など台湾作品の話題も増えてきている印象です。TAICCAが台湾のコンテンツをどのように支援しているのか、改めて教えてください。

TAICCAは台湾の文化部(日本でいう文科省にあたる組織)が、設立した独立行政法人です。文化部がコンテンツ産業を支援する際に柔軟的なやり方をするために法人のTAICCAを2019年に設立しました。創設時は、韓国のKOCCA(韓国コンテンツ振興院)という組織を参考して作りました。やはり韓国のコンテンツ産業にはすごく大きなサポートをしていて、韓国コンテンツは世界的に結果を出しています。いずれ台湾のコンテンツも世界で楽しんでほしいと思っています。

TAICCAがサポートしているコンテンツのジャンルは、10のジャンルがあります。映画、ドラマ、出版、漫画、ゲーム、音楽、視覚芸術、舞台芸術、ファッション、そしてVR/XR。文化的コンテンツも全部含めて、広いジャンルをサポートしています。人材の育成や国際的交流、法律や経理などに関する知識のレッスンも実施しています。1番大きいのは、投資です。文化的なもの・コンテンツの産業には、投資を「国家発展委員会」という、国の予算を使って投資しています。予算は、約100億台湾ドル(※日本円換算約460億円)で、すごく大きな金額を動しています。

ーー100億台湾ドルを国が支援!台湾ではまさに国を挙げてコンテンツ産業への投資をされているんですね。どのような投資をされているのでしょうか。

投資はいくつのパターンがあります。1つは、企業に投資して、その会社の株式になること。2つ目は作品単位や・プロジェクトに投資します。映画やドラマ、ゲーム…そういうプロジェクト自体に、投資をしています。3つ目は、最近主流になっている支援方法ですが、台湾もしくは海外の大手企業と共にファンドを作ること。国際的ファンドに参加する大手企業と協働します。

――すごく広いジャンルを国が支援していることに驚きました。

全て均等に支援ができているわけではなく、ファッションや舞台芸術ジャンルは、今もやり方を模索中です。現状では映画やドラマの映像系ジャンルが主軸となっています。

世界と台湾コンテンツ


――昨年、今年は台湾映画のヒットがあったり、日本でもリメイク映画が作られたり、台湾コンテンツの話題が増えた印象です。実際、台湾の、その映画の制作のクリエイターの方たちも海外に出ていく思考や、モチベーションが強まっているのでしょうか。

台湾でもそう感じられています。やはりNETFLIXなど国際的な動画配信サービスの流行によって、海外の方にも見てもらえる機会が増えました。中には昨年の「呪詛」のように世界でもヒットする作品が出てきましたが、TAICCAが大事にしているのは、「流れ」にすることです。韓流という言葉がありますが、コンテンツの量があるから「流」になるんです。単発のヒットだけでは流れにならないので、TAICCAは政府と企業の力を合わせて投資・支援をして、もっともっと台湾の作品の量も質も高めて、「流れ」を作るのが目標です。

今年もトータル100億台湾ドルの予算でコンテンツ産業にサポートするTAICCAと台湾の文化部が新しいプロジェクト「黒潮プロジェクト(T-content plan)」を始めました。また、今年の5月から、法律で企業が作品やコンテンツ産業に投資する時には税金が安くなるという法律改訂もありました。いろいろな側面からコンテンツ産業の盛り上げを試みています。

――日本でも同様に、国がコンテンツ産業を支援をしてくれたら素晴らしいと思いました。

そういうコメントも海外の方からよく言われますが、日本のコンテンツ産業はすごく成熟しているのが違いですね。日本のACG(中国語圏における日本のアニメ、コミック、ゲームなど「2次元」コンテンツの総称)はすごく発達していて、展開している大手企業、例えば集英社、KADOKAWA、任天堂など、そういう大手は既にビジネスとして成功しているから、逆に政府の力は不要。その点が台湾との違いですね。台湾はコンテンツ産業の企業はまだ大きくないので、政府の支援が必要です。

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  • TAICCA(台湾クリエイティブ・コンテンツ・エージェンシー)」の董事長・蔡嘉駿(ツァイ・ジャジュン)氏が、近年盛り上がりを見せる台湾エンタメの今について語ってくれた。
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