原作のいちファンとして“細かな動き”を研究
――ご自身が演じるキャラクターについてと、演じる上で大切にしていることを教えてください。
久住:まい子は見た目が華やかで“OLさん”という感じなのですが、実際は自分に自信のない女性なんです。私自身は人の目を見て話すのですが、まい子を演じるときはあまり人と目を合わせないように意識して演じています。
まい子はすごく真っすぐでお仕事も頑張っていて、自分の抱えるコンプレックスと向き合って、乗り越えようともがいているところが魅力的だと思います。
佐藤:鍵谷はとあるトラウマがきっかけで自分に自信をなくしてしまっていて、そのトラウマから人とコミュニケーションを取ることが苦手になってしまった青年です。とてもうぶでかわいらしくて、“この子の成長を見届けたい”と思っていただけるようなキャラクターだなと思います。
演じる上で気を付けていることは、普段の僕と真逆な性格だったので、あまり現場で話さないようにしています。クランクインした際は久住さんに誤解されないように「今回はこういう感じなんですけど、人見知りとかじゃなくて、普段はもっと盛り上げるタイプなんです」と弁解しました(笑)。
――今作ではお二人とも会社で働いているという役どころですが、ご自身が演じる職業について何かリサーチはされましたか?
久住:周りに会社勤めの友人もいるので、自分が感じたイメージを持ちつつ役に臨みました。実際、オフィスのシーンで自分の席があるというシチュエーションの中で演じていると、自然と役になっていけるというか、周りの環境も大きいなと感じました。
佐藤:今までの作品だったら、自分の役に近い職業をしている人が周りにいたのでリサーチできたのですが、今回はコピー機の修理をする仕事なので…。現場で監修をしてくださる方に習う時間があったので、その時間にリサーチをしました。
あとは原作と照らし合わせて、鍵谷は膝を片方つくのか、両方つくのかとか、職業というよりも鍵谷くんに仕草とかを寄せていったという方が近いです。
――原作ファンの多い今作を実写化する上で気を付けていることはありますか?
久住:原作はもちろん読ませていただいたのですが、ドラマでは私がまい子を演じるので、私にしかできないまい子ができたらと思っています。原作の表情は意識し過ぎず、気持ちでまい子を作り上げていっています。
佐藤:ビジュアル面でいうと絶対にかつらはいやだなと思っていたんです。鍵谷くんの髪の毛は地毛でやりたいと思ったので、長かった前髪をバッサリ切って、黒髪にして、なるべく近づけました。
僕もいち原作ファンとして、ドラマを見た時に「同じだ!」ってなったらうれしいかなと思ったので、直前まで現場で原作を見て、細かな動きもこだわりました。