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ジョシュア・オジック“レオン”が拘留… 海の異変を調査するメンバーにさまざまな横槍が入る「ザ・スウォーム」第4話

2024/02/04 18:00

海の異変を調査するメンバーにさまざまな横槍が入る「ザ・スウォーム」第4話
海の異変を調査するメンバーにさまざまな横槍が入る「ザ・スウォーム」第4話(C)Hulu Japan

木村拓哉ら世界各国の豪華出演者が集結したHuluオリジナル「THE SWARM/ザ・スウォーム」。“宇宙よりも謎が深い”と言われる深海を舞台に、世界の海で起きている不可解な現象を追うSFサスペンスだ。第4話ではさまざまなしがらみに囚われ、前へ進めない登場人物たちの姿が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら同話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

レオンとサトウが接触


南アフリカの東ケープ州をはじめとして、多くの地域で大量のカニが街を襲撃する事件が起こる。また新種のカニや突然変異した貝が世界中で発見され、もはや海洋異変が起こっていることは隠しきれない事実となった。

そんななか、レオン・アナワク(ジョシュア・オジック)は深海で見た発光する謎の生物の正体を追う。浅瀬ではともかく、海底にあれほど長く発光できる生物をレオンは知らない。さらに映像で聞こえた反復・一定の音も気になる。

仲間の思いを聞いたレオンは海洋異変で身近な人をなくしたこともあり、少し思いつめすぎているようだ。だがこれ以上の犠牲を生まないためにも、立ち止まるわけにはいかなかった。

さらにレオンの所属する海洋研究所へ、異常発生している貝の情報が舞い込んでくる。マダガスカル・パラグアイ・ウガンダといった広範な地域で、同じ遺伝配列の貝が見つかったというのだ。しかも先日海難事故に遭ったバリア・クイーン号に付着していた貝の分泌物と、怪死を遂げたシャチの脳から見つかった謎の塊にも共通項が。多くは汚染物質だというが、哺乳類はともかく貝類に影響する汚染物質は珍しい。

異変の手がかりを見つけたレオンだったが、レオンが持ち帰った貝のサンプルはすぐに壊れて分解してしまったため、これ以上の検査ができなかった。そこでレオンは追加のサンプルを手に入れるため、バリア・クイーン号を管理するロバーツへ会いに行く。しかしなぜか立ち入り禁止と警備員に止められてしまい、忍び込むことに。

だが警備の厳しい施設ではうまくいかず、警備員によってレオンは捕まってしまう。だがロバーツを通して、ミフネ財団のサトウと接触することに成功する。

レオンはサトウに貝を確保するために忍び込んだことを告白。サトウはレオンが持っている情報に価値を見出し、「今後必要なものは、我々が手配します」と約束する。そして“海運業の脅威を阻止したい”という言い分で、貝の発見情報などを共有するようにレオンへ約束させたのだった。

「THE SWARM/ザ・スウォーム」第4話より
「THE SWARM/ザ・スウォーム」第4話より(C)Hulu Japan

海底を掘り起こした跡を見つけ、怒るシグル


海洋調査船・トヴァルセン号に戻って調査を再開したシグル・ヨハンソン(アレクサンダー・カリム)は、ホーヴスタッド・エネルギー社が海底を掘り起こした跡を発見する。それはすなわち、その周囲で見つかった新種の海洋生物たちが死に絶えたことを意味していた。

シグルはただちに、カタリーナ・レーマン(バルバラ・スコヴァ)教授へ報告。ホーヴスタッド・エネルギー社に勤めるティナも、この事実を知っていたと考えるシグルは怒りをあらわにするが、カタリーナはティナも知らなかったと思うとシグルをやんわりと諭す。

さらに、カタリーナは、シグルが、ホーヴスタッド・エネルギー社が海底を掘り起こしたことを公にすれば、ホーヴスタッド・エネルギー社は契約内の範囲で行ったことだと言うだろうと告げる。

海底を掘り起こすことが契約的に問題はないのであれば、責任を負わされるのはティナだと話すカタリーナ。その話を聞いて冷静さを取り戻したシグルは、カタリーナにどうするべきか尋ねる。カタリーナは何を話すのにもティナに相談すべきだと助言するのだった。

明らかに異常が続く海の世界。だが前へ進もうと調査する人々の手を、経済や企業利益のために阻む者がいる。見ているだけのこちらも、登場人物たちと同じく焦りが募っていくばかりだ。

一方、シャーロット・“チャーリー”ワグナー(レオニー・ベネシュ)は、先日海難事故で死亡した同僚が送っていたビデオメッセージを発見。涙とともに友人からの最後のメッセージを見ていたのだが、ふいにビデオのなかで奇妙な光景を発見する。小さな船窓から見えたのはモヤか、発光体か…。

「THE SWARM/ザ・スウォーム」第4話より
「THE SWARM/ザ・スウォーム」第4話より(C)Hulu Japan

ジョシュア・オジックしかできない演技に脱帽


2021年の映画「Wildhood」で先住民の少年役を演じ、高く評価されたジョシュア。彼の魅力は、なんといってもエキゾチックな表情と“目”の演技にある。

今回ジョシュアが演じるレオンも、思考を巡らせる際の深く遠くを見るような目と表情は秀逸。決して激しい感情を乗せているわけではなく、自然に奥深くから透けて見えるような色合いもジョシュアならでは。

なかでも第4話は、ジョシュアの演技力を垣間見られるシーンが多かった。たとえば陰謀論を口にする友人へレオンが「そんなたわごとを」と糾弾するシーン。これは眉根にも一瞬シワが寄るなど、怒りをしっかり乗せた感情を訴える演技だ。一方で、不法侵入で捕まってから解放されたあとのシーン。銃を向けられた恐怖が自分のなかにわだかまっていると吐露する際には、自分でも処理しきれない動揺と戸惑いがにじみ出ている。

だがいずれのシーンでも、極端に声を震わせたり声のボリュームを変えているわけではない。喜怒哀楽を一定の声量で伝える、繊細な演技には脱帽するばかりだ。素直な青年・レオンは奇妙な縁でミフネ財団に繋がりを得た。今後純朴なレオンが内に秘めた感情をどう表現するか、引き続き注目したい。

「THE SWARM/ザ・スウォーム」
「THE SWARM/ザ・スウォーム」(C)Staudinger-Franke

◆文=ザテレビジョンドラマ部

下に続きます
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