俳優の石橋静河と内田有紀が10月28日、都内で行われた「東京ドラマアウォード 2024」授賞式に出席。「燕は戻ってこない」にて石橋は主演女優賞を、内田は助演女優賞を受賞し、それぞれの思いを語った。
石橋静河、小さな枠に収めない描き方に「すごく好きでした」
今年で17回目の開催となる「東京ドラマアウォード」は、2008年に放送番組の海外展開を見据えた顕彰事業として国際ドラマフェスティバルが創設。従来のアウォードで重視されてきた“芸術性”“番組の質の高さ”といった基準とは異なる、“市場性”“商業性”に焦点を当て、“日本人として海外にみせたい”と思う魅力あるドラマを表彰する。
2024年4月30日〜7月2日に日本放送協会で放送された「燕は戻ってこない」で主演女優賞を受賞した石橋は「このような賞をいただくことができて本当にうれしく思っております」と受賞を喜び、「今回、リキという貧困だったり、社会格差だったり、差別だったりに苦しめられる女性を演じたんですけど、この作品の中でそういうリキをかわいそうな人という小さな枠に収めない描き方をされていて、それがすごく好きでした」と吐露。そして、原作者や脚本家、スタッフやプロデューサーに感謝の意を述べた。
内田有紀「揺れながら、呼吸しながら撮影に向き合えた」
また、同ドラマで助演女優賞を受賞した内田は「このようなすてきな賞をいただけて本当にうれしく思っております。助演女優賞という言葉の重みを感じています」と喜びを噛みしめた後、「助けて演じること、この意味ってなんだと思われますか?」とMCを務める三谷幸喜に質問。三谷が次に進行のことでいっぱいいっぱいで「気の利いた答えが…」と戸惑いを見せ会場の笑いを誘った。
改めて、内田は「血や肉や骨をすべて、私が演じた女性に染み込ませなければ向き合いきれなかった作品だと思っております。そして、桐野夏生さんが書かれた原作は、どのキャラクターも人として決して美化せず、感情をむき出しにしたそのままを描いてくださったリアリティのある作品でしたので、読むと演じるのとではずいぶん違うなと私自身、最初は不安に思ったり悩んだりもしましたが、監督やプロデューサーの方々、スタッフのみなさんが心強く私を支えてくださって、揺れながら、呼吸しながら撮影に向き合えたと思います」と感謝。続けて、「すてきな賞をいただけて、またこの賞をいただけるように、これからも役とともに寄り添っていける俳優であるように、一歩一歩大切に進んでいきたいと思います」と力強く語った。
なお、同ドラマは作品賞<連続ドラマ部門>で優秀賞も受賞。このほか、同授賞式には草なぎ剛、若葉竜也、正門良規(Aぇ! group)、佐久本宝、比嘉梨乃らも出席した。
◆取材・文=風間直人
キングレコード
発売日: 2010/07/06