
「僕と山中さんとアロハさん、3人で話し合いながらラストシーンを考えました(八重樫)」
――クールな美鶴が貴明に対して感情を爆発させるクライマックスは強く心に残りましたが、山中さんからあの演技を引き出す撮影時の苦労などあれば教えてください。
八重樫:1度撮らせてもらって、やっぱりもう1テイクやらせて欲しいとお願いしたときに、「今から2人で初めての喧嘩をしてください」と伝えたんです。それが本編に使われているシーンですが、彼らがああいうエモーショナルな芝居に引き上げてくれました。シンプルな伝え方だったんですが、深く考えてくれたんだと思います。
川崎:この作品は二人の関係性も1つのテーマになっていると思ったので、私もセリフにこだわったシーンでした。2人の歴史が滲むといいなと思って書きました。
――また、この作品はラブストーリーとしても胸を打つ作品ですが、美鶴と円のラストシーンにも特別なこだわりがあったのではないでしょうか?
八重樫:僕と山中さんとアロハさん、3人で話し合いながらラストシーンを考えました。「上等だ」というセリフを言ってもらうのがあって、本編のような形になったんです。僕が代わりに入って、こうやってみようかとテストしてみたり、楽しかったです。
川崎:私は直前まで見学していて、ラストシーンは遠慮して退出したんですが、まさかそんなに楽しく撮っていたと思わず、今聞いてびっくりしました(笑)。
八重樫:そうでしたね。みんな気をきかせて少人数にしてくれました。
川崎:「上等だ」というセリフは入れて欲しいとプロデューサーの方からリクエストがあったのと、一番盛り上がるラストシーンに入れたいと思いました。あと円をフェンスに押し付けるような描写にしたくて、思い描いた通りのシーンが観客の方に届けられて嬉しかったです。
八重樫:フェンスの「カシャーン」っていう音は、やっぱりヤンキー映画との相性が良かったですし、それを恋愛のシーンと掛け合わせたいと思って撮りました。いろんな「カシャーン」を3人で試したんですよ。楽しかったですね。

「彼らが背中を押すような姿として映っていれば嬉しいです(八重樫)」
――最後にこれからこの作品を見る方にメッセージをお願いします。
川崎:美鶴と円、登場人物の皆さんをとても魅力的に撮っていただいているので大きいスクリーンで純粋に楽しんでいただいて、たくさんキュンキュンして、感動してもらえたら嬉しいなと思っています。
八重樫:僕もエンタメとして楽しんでいただきたいということが一番だと思ってます。その中で、美鶴も円も仲間たちもすごくまっすぐに感情を持っていて、それを相手に示していきます。今ヤンキーを撮ることでどんなメッセージ性を作れるかと思った時に、人と向き合うことは怖い部分もありますけど、彼らが背中を押すような姿として映っていればいいなと思いました。山中さんもアロハさんもしっかりと体現してくださっているので、見る方に届くと嬉しいです。
◆取材・文=牧島史佳
※高松アロハの高の正式表記は「はしごだか」


























