今年も激戦!「衛星放送協会オリジナル番組アワード」受賞9作品の選出理由とは?
ー今回、審査で難航することはありませんでしたか?
毎年、審査委員長の吉岡忍さんがとてもうまく進行してくれます。7部門ありますから、我々審査委員が疲れないように、最初は満場一致で決まるであろうものから審査していくのが通例です。今回はミニ番組・番組PR部門から始めたのですが、あにはからんや意見がまったくまとまらず、最後に回してもう一度審査し直すことになりました(笑)。
ーこれからの衛星放送協会オリジナル番組アワードの使命はなんでしょうか?
総合編成でチャンネル数が限られていた地上放送に対して、専門多チャンネルが出てきたことで、チャンネル数が増えて、多様な番組を見られるようになりました。しかし、専門多チャンネルはどれだけ人々の中に浸透したでしょうか。具体的にどういう番組が放送されているのか、想起できない状況がまだあるのだと思います。オリジナル番組アワードは、「こんな番組があります」と多くの人々に想起させる力になるわけです。例えば、WOWOWプライムの「ドラマW」は、高いクオリティーのドラマを制作し続けて、今や完全に一つのブランドとして定着していますよね。藤井聡太くんという新しいスターを得た囲碁・将棋チャンネルにもそういう番組を輩出していくだろうと期待しています。
(プロフィール)
音好宏(おと・よしひろ)=1961年生まれ、北海道出身。上智大学文学部新聞学科教授。研究分野はメディア政策、メディア産業論など。『メディア融合時代到来!【コンテンツ至上主義】視聴者が「選ぶ」メディアは?』(サテマガ・ビー・アイ)ほか著書多数。