――くんちゃんは生まれたばかりの妹に両親の愛を奪われたと思ってしまいます。そこから、赤ちゃん返りのような行動を繰り返すのですが、そういうくんちゃんの思いは理解できますか?
私は弟と2歳しか離れていないので、自分自身のそういう思いは覚えていないんですけど、私の娘は激しかったですね。くんちゃんでいう愛を奪われた感というか、これが赤ちゃん返りなんだなと(笑)。しかも、イヌもいたから、みんなが騒ぐと、困ったことにイヌも騒ぐんですよね。そういうシーンもあって、とてもリアルです。それと、おじいちゃん、おばあちゃんが家に来て、赤ちゃんの妹をカメラで撮ろうとするシーンで、くんちゃんがカメラ前で「(妹よりも)僕! 僕を撮って!」とアピールするシーンなんかも、本当に“あるある”ですよね(笑)。
――くんちゃん役の上白石萌歌さん、未来からやってきた妹のミライちゃんを演じられた黒木華さんの印象は?
上白石さんがくんちゃんを演じられると聞いてからも、くんちゃんの声のイメージが自分の中であまりなかったので、上白石さんの声を始めて聞いたときは「そうか、くんちゃんの声はこういう声なんだ」と素直に納得しました。でも、上白石さんの声は、たまに女の子に聞こえる感じが逆にくんちゃんの子供らしさにつながっているなと思いました。
ミライちゃんの声を演じられた黒木さんは、前の「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)や「バケモノの子」(2015年)もそうですけど、本当にすごく耳なじみがいいんですよね。だから、聞いていて、とても気持ちのいい声だと思いました。
映画「未来のミライ」
公開中
配給=東宝
監督・脚本・原作=細田守/声の出演=上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子ほか