大東駿介“セミフィクション”作品で考えた「言葉の力」<ひまわり対談・後編>
“考えるきっかけ”になれば
――見てもらいたい場面を教えてください。
大東:これは日本でたまたま見つけた数少ないものではないと思うんです。僕はこの作品で、この道端で歌舞伎をやるという、とんでもない祭り(山あげ祭)を初めて知って、ユネスコの無形文化遺産に登録されたのに僕は知らなくて、実際に中に入ってみたら、そのお祭りがなくなるかもわからへん。ユネスコへの登録は県は喜んでいるけど、やっている人たちからすれば実はきついという状況がある。
こういうことって日本中にあるんだなっていうことを知ることができただけでも、この映画を見る価値はあると思います。これがきっかけで那須烏山に興味を持ってもらえたら、もちろんうれしいですけど、日本中にどんな面白い文化があって、どんな面白い祭りがあって、どんな危機があるのかなっていうことへの、“考えるきっかけ”になったらいいなって思います。
また、例えば舞台あいさつなどで全国へ行った時など、地元の若者とご飯を食べに行ったりするんですよ。なるべくそういう機会を作るようにしています。若者はすごく力を持っていて、その力の出しどころに悩んでいる印象なんですね。それを若者同士が知ればもっと面白いのになって思います。
今年32歳で(若者と大人の)中間ぐらいにいるので、そういう若い力を大人たちに伝えられる役回りになれればなって考えていますし、自分自身ももっともっと生み出していければなって。そういうきっかけが映画なのもすごく幸せだし、そういう映画が増えていけばいいなって思いました。
――倉野尾さんは「高校生たちの姿がチーム8の活動と似たところがある」とコメントされていましたね。
倉野尾:実は映画ができあがる前に言ったコメントなんですけど、映画では(高校生たちが)具体的に動いている姿が映し出されているんですね。私たち(チーム8)は歌ったり踊ることを全国各地でやっているんですけど、それで元気をもらっているのかなとか考えます。
二人とも地元を盛り上げたいという気持ちはあるけど、何をしたらいいか分からない、地域のこともよく分からないみたいな状態で、それは私たちも一緒だなって思いました。地方を盛り上げていきたいと口にはするけど、どう動いていいか分からないという点ではすごく分かるので、具体的に何かを行動するという姿を見習いたいなって思いました。
全国で順次公開中
出演=大東駿介、佐久本宝
佐藤佑香、青木由比、坂本一樹
前田亘輝(特別出演)、倉野尾成美
西岡徳馬
企画=前田亘輝
監督=杉本達
脚本=金沢達也
主題歌=「灯台」TUBE(ソニー・ミュージックレーベルズ)
公式サイト=http://you-happy-himawari.com/
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