坂口健太郎「黒川拓は“やわらかいドライアイス”のような男の子」
――拓は日本の司法制度では異例の3年で5件もの逆転無罪を勝ち取ってきた凄腕の弁護士ですが、第3話で描かれた病院の医療ミス事件では敗訴してしまいます。それまで勝敗に対する感情が希薄に見えていた拓がわかりやすく落ち込んでいる姿は意外でした。
これから拓の過去に関してもいろいろ明らかになっていくと思いますが、拓が自分の感情をどこまで出し、どこまで隠しているのかは、僕自身も実際に演じてみないと分からない部分がありました。
ただ、第3話の法廷シーンを撮影しているときに、自然と涙があふれてきたんですよね。芝居中に涙を流すということではなく、スタジオにいられないぐらいに泣いてしまって。それは平岳大さん演じる雲仙医師は、本当は少女を救いたかったはずなのに、彼のせいで少女が死んでしまったと言われて本当につらかっただろうなと思ったからなんですけど、そのときになぜ拓が冤罪事件にエネルギーを燃やすのかが少しだけ分かった気がします。それはとても不思議な感覚でした。
――拓を演じていて難しいと思うところはありますか?
第3話の最後、裁判に敗訴して落ち込んでいる拓もそうですが、この先の回で拓が怒りを露にするシーンがあるんですね。そのときに拓はどう怒りを表わすのかは難しかったです。それこそ最初に拓は“やわらかいドライアイス”のようだとお話しましたが、あまり感情をストレートに出すタイプの人間ではないと思うので。しかも、過去の事件が拓に影響を与えているのもあって、拓が怒るシーンは特に難しかったですね。
――確かに、普段は柔和な拓が怒りを露にするのは想像できないですね。
でも、拓の中には無実なのに罪を着せられてしまうことに対する怒りは確実にあって。だからこそ冤罪事件に対する情熱がものすごくあるのだと思うし、そこにフォーカスしているからこそ、その跳ね返りで出てくる感情が大きいのかもしれません。
毎週土曜夜10:00-10:54 日本テレビ系で放送
脚本=古家和尚/演出=南雲聖一ほか
出演=坂口健太郎、川口春奈、趣里・杉本哲太・志賀廣太郎、市川実日子・草刈正雄(特別出演)・藤木直人ほか
▼公式サイト
https://www.ntv.co.jp/innocence/