“平成最後の大悪党”を西田敏行が熱演! 初共演の東山紀之と直接対決も
西田敏行、初共演となる東山への思いを語る
――東山紀之さんと初共演の印象は?
テレビやバラエティーを拝見していても、東山さんのスタイルがきちっと確立されていて、ぶれないですよね。そしてりりしい! 素晴らしいアクターであるとともに、素晴らしいエンターテイナー。
まだまだいろいろなことを学びたいと思わせてくれる、数少ない後輩の一人なので、今回ご一緒できてうれしいです。なによりまず、「“必殺”に出られるんだ!」って、女房に自慢しました。
――“必殺シリーズ”初出演で悪人を演じた感想は?
親父が時代劇ファンで、子供の頃、よく僕を自転車の後ろに乗っけて映画館に連れて行ってくれたんです。6本立てくらいの時代劇を見ていましたね。
それで育ったようなものだから、こういう時代劇の現場に来ると、ふるさとに帰ったような、原点回帰したような気がします。
それこそ昔、ラジオのパーソナリティーをやっている時に一度ゲストに来ていただいた吉田義夫さんという大悪役の方がいらっしゃるんですが、吉田さんが京都の撮影所から出てくると、子供たちから「あいつ、悪いんだぜ!」って小石をぶつけられたらしいんですよ。
その時に「こんなに俺のことを悪いやつだって思ってくれてるんだ」ってうれしかったと、おっしゃってたんですね。それを聞いて、悪役をやる人の心根の素晴らしさというのを感じたというか、驚きました。
それ以来、時代劇はどちらかというと悪役を中心に見てきましたので、悪役ができるというのは、僕にとって最高にうれしいことです。今回も思いきりやれたと思います。だいぶいろんな人を泣かせましたよ(笑)。
――時代劇への思い入れは?
時代劇というのは現代劇と比べるとコストがかかるかもしれません。でも、その分、万人に喜んでいただける作品ができると思います。
子供から大人まで幅広い世代の人に、痛快に感じてもらえるような勧善懲悪の時代劇がもっともっとたくさん増えて、「あいつは悪いヤツだ!」と言える、悪を憎んで正義を愛する子供たちが増えればいいなと思いますね。
――東山さんに“斬られた”感想は?
優しく斬っていただいたので、清右ヱ門(西田)は痛みも感じず昇天できたのではないでしょうか(笑)。
人が斬られて殺される現場で笑いが起きるって珍しいことだと思うんですが...笑わせてしまったみたいです、僕。ごめんなさい。言わなくていいような言葉が出てきちゃって、つい...(笑)。
でも、スタッフさんの笑い声が聞こえたのでホッとしました。
――読者へメッセージをお願いします。
ご存じ、「必殺仕事人」ですから、ご覧いただくと、痛快な気分になれますし、「明日からも頑張ろう」って思える作品になっていると確信しています。
そして、すっきりと一日を...いや、この一年をお過ごしください。仕事人の東山さん、りりしいですよ! 美しいですよ!