「スリリングな気持ちで見てほしい」
――オファーを受けた時の率直なお気持ちを教えてください。
WOWOWのドラマの単独主演は初めてなのですが、ある先輩から「民放でのドラマ作りも良いけど、WOWOWのドラマも“作品を作っている”という感じが強いから、楽しんでやりなさい」と言われたので、高いモチベーションで臨むことができました。
――台本の印象はいかがですか?
東野圭吾さんのコアなファンが多い作品でもありますし、いざ原作を読んでも、3日もしないうちに読み終えるくらい次の展開が楽しみな作品でした。台本でもその印象は変わることがなかったので良かったです。視聴者の集中力や期待値を裏切らない展開になっているんじゃないかと思います。
――雨村慎介を演じることについて何か準備はされましたか?
脚本家の方(吉田紀子)が、原作では描かれていないバックボーンを丁寧に文章へ起こして説明してくださったんですよ。自分で決め込む作業がなかった分、特に準備はなかったというか、楽にできましたね。
具体的に言うと、父と母と兄がいて、日本海に近いとある北陸の町に住んでいたと。出来の良い兄がいるものだから、幼少期に母から比べられることが多かった。慎介は不器用というわけではないんだけど、兄の強い光をまぶしがり、自分の“できなさ加減”にフォーカスしてしまったベースがあるんです。その中で見つけたやりがいが“バーテンダーとしての生き方”ということだったらしいんですよね。
居場所を見つけたはずが、最終的には騒動に巻き込まれていくお話なので、皆さんにはスリリングな気持ちで見ていただけたらうれしいです。