<いだてん>“人見絹枝”熱演の菅原小春、“孤独さ”に共感「自暴自棄になることも…」
誰かの肩に寄りかかることができるんだ
――菅原さんご自身は体育や運動は得意なんですか?
不得意です!
でも私自身はできる気でいるので、できるって思っているのにクスクス笑われていて、もしかしたらすごく格好悪いんじゃないかと思って…。それである一定の時期から集中して練習しました。
コツは“音”でしょうか。ダンスをしている時と同じ感覚なのですが、テニスも走る時も“音”があるんです。
波に乗るところが分かるので、「ここか」と思ったら楽しくなってきて余裕が生まれましたね。
――第26回ではオリンピアンとしてや女性としての葛藤も描かれていますが、それと同時に金栗四三(中村勘九郎)や二階堂トクヨ(寺島しのぶ)と出会うことによって孤独だった人見さんが居場所を見つけていくという姿も描かれていますよね。そういった面で共感した部分はありますか?
ありました。自分って孤独だなって感じて、それで自暴自棄になることもあって…。
海外から帰ってくると孤独に襲われて、お風呂につかりながら泣いたりするんですよ。
「なんでこんなに疲れなきゃいけないんだ!」って疲れすぎて涙が出てくるんです。
自分で振付をして自分で踊るっていうのは結構大変なことなのですが、それをやりすぎて一人で自分を勝手にストイックに追い込んでしまうこともあって。
でも最近共作をしている中で、「あ、なんだ、頼ればいいんだ」って気づきました。
例えば「パプリカ」という曲をダンサーの辻本知彦さんと一緒に振付しているのですが、「これは辻本さんがやった方がいいから私はこっちをやろう」とか思えるし、仲間がいるってこんなに温かいんだ、話しかけたら笑いが起きるんだって思ったんです。
それは人見さんの人生を演じていても感じたし、ドラマを作るという過程でも感じました。
現場に行ったら自分だけで戦わなくてもいいんだ、誰かの肩に寄りかかることができるんだ、と思えましたね。