<試写室>「リーガル・ハート」“決して諦めない男”の姿に感銘
第1話のレビュー
あ~、なんと世の中は厳しいのでしょうか…。
ある朝、反町さん演じる村越の事務所に水産会社の社長・山谷からFAXが届きます。その文面には「もう限界」という文字。
それを見た村越は命に関わる案件であることを直感し、すぐに現地へ向かうのです。
その速さよ…現代を生きるスーパーマンです。
依頼主である山谷から話を聞く村越ですが、魚市場はもはや瀕死状態。金利だけで年間5500万円、銀行も貸し渋り、山谷は消費者金融まで手を出していました。
苦渋の表情を浮かべる山谷に村越は声を掛けます。
「大丈夫です。なんとかなります」
本当ですかー!?なんとかなるんですか!と私も驚いてしまいましたが、ここから村越と山谷の戦いが始まるわけです。
しかし、これはドラマです。うまい具合にトントントーンといくんでしょう?
…このときの私はまだ世の中の厳しさを知らなかったのです。
村越は銀行を説得して借金を減額してもらうという、私的再建という方法を選択します。それも債権の8割をカット、つまり20億円の借金を4億円にまで減額してもらうのだと言います。「そんなことできるんですか?」山谷びっくり。私もびっくり。
銀行合同説明会を開くも案の定、「あり得ない!」と怒号が飛び交います。しかも、この銀行員さんたちが、怖いのなんの。
確かに私も「8割カットはやり過ぎじゃない?」と思ったものの、「そんなに怒らなくてもいいじゃん…」と言いたくなるほど怖いのです。
その後も次から次へと試練が降りかかります。そう、たとえドラマと言えど、トントントーンとはいかないのです。これが世の中の厳しさなのです。
このドラマを見て、命とはいつも崖のギリギリを歩いているようなものなのではないかと初めて思いました。
でも、そんな崖っぷちを仲間と歩いているのだと思います。一人では風で吹き飛ばされそうになっても、隣にいる仲間たちと手をつなぎ合って耐える。誰かが落ちそうなときはその手を強く引く。
「あいつはもう助けられないよ、僕たちまで落ちてしまう」なんて声がちらほら聞こえても、村越のような決して諦めない人がいれば「まだ、大丈夫です!」と言って、みんなで手を引っ張り続けられるのだと思います。
世の中は思ったよりも厳しい。だからこそ、「あなたはまだ、大丈夫です!」と誰かの手を引っ張れる人になりたい。そして、自分がつらいときには「限界だ! 助けてくれ!」と大きな声を出して、助けを求めたい。
このドラマは、あなたがつらい時やあなたの大切な人がつらい時のヒントになるかもしれません。