満州での3人だけの空間は、すごく濃密で、ぜいたくですよね
――金栗先生の元を離れて、美濃部孝蔵(森山未來)と三遊亭圓生(七之助)と満州で出会うことになりますが、共演シーンではいかがでしたか?
七之助さんとも、森山未来さんとご一緒できるのも楽しみでした。満州での3人だけの空間は、すごく濃密で、ぜいたくですよね。「いだてん」としても志ん生と圓生と小松が一緒にいるということは、後につながる歴史的瞬間じゃないですか
――特に楽しみなシーンなどはありますか?
理想はあります。酔っぱらうシーンがあるんですけど、マラソンから離れて、東京も離れて、戦争に来て、満州に来て、目まぐるしく小松勝の生活が変わっていった中で、お酒を飲んで酔っぱらった時に、今までにないくらいにしゃべるんですよ。
それまで、めちゃくちゃしゃべるシーンってなくて。でも酔っぱらうシーンがある39回ではとてもしゃべるので、人となりが見えてくるシーンなんです。そこで、金栗先生を感じさせられたらなと思ってますね。
――今回で大河出演は5作目。重要な役を演じることに、何かご自身で思うことや、これまでとの変化を感じる部分はありますか?
これ面白い話でもなんでもないんですけど、ずっと憧れていることがあるんです。大河ドラマと“朝ドラ”って、出演者発表があるじゃないですか。それで発表されたいっていうことだったんですよね。
今まで何度か出ている中で、もちろん、いい役もあったんですけど、役者としての知名度も低いですし、さらっと普通に登場してくるだけで、発表とかなかったんですよ。
それで、その壇上に出演者たちが上がって、主役の方が真ん中に立って、脇でいろんな人が立ってる、あの発表にいつか出たいと思ってたんです。
「いだてん」の発表があったときに、「(発表されるなら)絶対これだ!」と思って。そこに立てるかは自分がどこまで(役者としての経験を)積み上げていけるかの問題だと思うので、いろいろと、考えたりしていたんですけど。
今回は正式に発表してもらえると聞いて、「ああ、良かったな」と思いました。6年前だったらそんなこと絶対なかったので、6年間、積み上げてきたものが間違ってなかったのかもしれないなと思いました。それで1つ、夢が叶ったというか、「いだてん」で、正式な発表がしてもらえてうれしかったです。すんごい、マニアックな夢ですけどね(笑)。
次はスーツを着て、金屏風の前ですね! かっこいいじゃないですか。でも、マニアックなので、こんなこと言ってんの僕くらいしかいないと思います。