キーワードは“女性の政治家”
――佐々木さんとバディを演じる上で、意識していることはありますか?
コンビの演技は一人では出せない魅力があります。自分だけが突っ走るのでなく、相手と一緒に呼吸を合わせて演技をしていくことが大切と思っています。蔵之介さんがどういうパスを出してくるのかを、ちゃんと感じられるようにしていきたいです。
蔵之介さんはシーン全体のことや、自分がどう居たら相手が面白くなるかをすごく意識されている印象で、それでシーンがどんどん面白くなるのを見てきました。なので、そこにちゃんと乗っかっていきたいです。
――クミコを演じる上で思い描いている女性像はありますか?
撮影前に西谷(弘)監督とも小暮クミコの人物像について話し合ったんですが、女を武器にするというよりは男勝りな人にしてほしいと言われました。刑事はやはり男性が多いと思うのですが、その中で対等に切り込んでいく人なので、“女性の政治家”というキーワードも出ました。
イメージを膨らませるため、女性の政治家のことを調べたり、彼女たちの国会の答弁の様子を見たりもしました。『女に向いている職業―女性私立探偵たちの仕事と生活』(朝日新聞社刊)という探偵を仕事にする女性たちのインタビュー集も読んで、生の声も参考にしました。
彼女たちがなにをモチベーションにして仕事をしているのかは、もちろん一人ひとり違います。ですが、「迷ってられない」「家族がいても仕事のときは体を張らなくてはいけない」という仕事に対する姿勢は学ぶ部分が多かったです。
――クミコが誕生日を迎える第9話での見どころを教えてください。
いつもはスーツのクミコですが、今回はワンピースでちょっとおしゃれをしています。誕生日で華やかなレストランに行くので、普段とは違うウキウキ感がありますね。
もちろん最終的には事件を解決しないといけないですが、普段見えない彼女のプライベートな部分や意外性が見えると思います。食事をする場所なのでその人らしさが出ますし、「彼女こんなことも詳しいんだ」という部分があったり、「いつもと違って女性らしいな」という一面があったり。
また、普段はロケでいろいろな場所に行くことが多いのですが、今回はセットの中で密室劇を演じます。ちょっと演劇のような感じで、そこも面白いと思います。