「翔んで埼玉」高校生役のGACKT、原作の魔夜峰央らが“あやふやでボヤーンとした賞”に喜び
同じく「蜜蜂と遠雷」での演技が評価された鈴鹿。花束の贈呈役は同作で共演した松岡が担った。
「去年まで岡山の普通の高校生だったというのに、俳優として、お芝居の中でこちらの全てが飛んでしまうくらい真っすぐに見詰められたことを覚えています。そんな彼がこうして評価され、その門出が『蜜蜂と遠雷』であったことを光栄に思います」とわがことのように喜んだ。
映画にエキストラ参加した際、広瀬すずに“スカウト”されたという異色の経歴を持つ鈴鹿。
「捨て犬を拾ってもらった感覚で…あ、捨てられてはいないんですけど」と独特のリズムで会場を和ませ、「パッと出て来た僕を石川監督が見つけてくれて、こんな賞まで頂いて、すごい光栄です」と感謝。
「でもこのままだと転んじゃいそうなので皆さんに支えていただいて、天狗だなと思ったら鼻をへし折っていただいて」とお願いし、「新人賞を頂いて、いつまでが新人なんだろうと思って…新人じゃなくなることが楽しみです」とまとめた。
「蜜蜂と遠雷」は作品賞も受賞し、石川慶監督も登壇した。
また、特別賞は「翔んで埼玉」。武内英樹監督と共にゆったりと登壇したGACKTは「お話を頂いたとき、断らせていただきました。28歳くらいの俳優が『バトルロワイヤル』で高校生をやってるのを見たときに『何をやってるのかなぁ』と思ったのに、僕は46歳ですから」と振り返った。
「でも、原作の魔夜峰央先生のご指名ということで断れず、苦労しながら、弁当に例えるならいい梅干しになろうと思って高校生を演じました。埼玉を敵に回すんじゃないかと思いながら作っていたので、こんな結果になるとは…。皆さんのご尽力でいい作品に、僕もいい梅干しになれたんじゃないかと思います」とまとめた。
続いて登壇した魔夜は「何がどう特別なんだかよく分からない、あやふやでぼやーんとしたところが翔んで埼玉にふさわしいと思います。おめでとうございます」と映画の受賞をたたえた。
その他、アニメ作品賞「天気の子」で新海誠監督が登壇、プレゼンターとして声優を務めた醍醐虎汰朗、森七菜が登場。
作品賞・海外部門を受賞した「ジョーカー」配給のワーナー・ブラザースジャパン合同会社の高橋成美社長も登壇した。
取材・文・撮影=坂戸希和美
作品賞・邦画部門:「蜜蜂と遠雷」石川慶監督
監督賞:佐藤信介「キングダム」
主演男優賞:中井貴一「記憶にございません!」
主演女優賞:長澤まさみ「マスカレード・ホテル」「コンフィデンスマン JP ―ロマンス編―
助演男優賞:成田凌「チワワちゃん」「愛がなんだ」「さよならくちびる」
助演女優賞:小松菜奈「来る」「閉鎖病棟―それぞれの朝―」
新人賞:鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」
新人賞:玉城ティナ「Diner ダイナー」「惡の華」
作品賞・海外部門:「ジョーカー」
アニメ作品賞:「天気の子」
特別賞:「翔んで埼玉」武内英樹監督