<同期のサクラ>“浮いたキャラ”の裏に豊かな感情表現 サクラ(高畑充希)が共感集めた理由
15歳「ピーターパン」で初座長を経験
忖度できない、ウソがつけない…そんな我が道をいくキャラクターは遊川脚本の真骨頂。だがその“キャラ設定”が強烈であればあるほど、人間らしさが見えにくくなる危険が伴う。
その点、サクラを演じる高畑はすでに演技派女優として高い評価を受ける存在だ。2005年、13歳で山口百恵トリビュートミュージカル「プレイバック part2~屋上の天使」に出演すると、2007年にはミュージカル「ピーターパン」の8代目ピーターパンに就任。15歳ですでに座長を経験している。
テレビドラマも2007年の「3年B組金八先生」第8シリーズ(TBS系)を皮切りに多数出演。2013年のNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(NHK総合ほか)では人見知りなヒロインの義妹・希子役を好演。繊細な演技に加え、劇中で披露した「焼き氷のうた」の澄んだ歌声も話題を呼んだ。
そして2016年、24歳のときに連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK総合ほか)ヒロイン・常子役でテレビドラマ初主演。「同期のサクラ」脚本家の遊川氏とは、主演ドラマ「過保護のカホコ」(2017年ほか)に続いてのタッグとなる。
「同期のサクラ」では、感情を抑えたマイペースな側面と、同期を前に感情をあらわにする場面を緩急鮮やかに演じた。
社長や上司、取引先に忖度ない意見をぶち上げる一方で、仲間のために悩み、喜び、時には逆ギレし…そんな人間らしい側面がしっかり表現されているからこそ、サクラは“変人でも共感してしまう”愛すべきキャラクターたり得るのだ。
心配する同期たちに「今度こそ自分のやりたいことができそうなのにどうして応援してくれないんですかみんな!」とまくしたてたサクラの声が震えているのにグッときた視聴者は少なくないだろう。
「同期のサクラ」最終回がTVerで1週間視聴できるほか、「Hulu」では初回から最終話までとオリジナルストーリー「リクエストのミタ」が配信中。また、2020年4月22日にはBlu-ray&DVD BOXがリリースされる。高畑の新たな代表作となった「同期のサクラ」。“浮いたキャラ”サクラがたどり着いたすがすがしく明るいラストに拍手と感謝を送りたい。
ザテレビジョン ドラマ部