<同期のサクラ>“浮いたキャラ”の裏に豊かな感情表現 サクラ(高畑充希)が共感集めた理由
「ブス!ブス!ブス!ブスブスブスブスブス!」
変人キャラのサクラに共感せずにいられない理由の一つが、無表情な佇まいの奥に垣間見える“人間らしさ”。一見、強くゆるぎない自我を持つように見えるサクラだが、実はひとり思い悩んだり怒りを爆発させたり、とても感情豊かなキャラクターだ。
社長にも堂々と意見するほど強気なくせに、1話では百合に「あんたみたいに生きられる人間なんかこの世に一人もいないのよ!」と罵倒され、誰とも目を合わさず「わかりました、じゃあ、失礼します」とだけ言って立ち去った。仲間であることを否定され、波止場で満月を見ながらコロッケを食べてじいちゃんを想うその後ろ姿が切なく、痛々しかった。
3話では、またもや暴言スイッチが入った百合に「夢、夢、夢、夢うるさいのよ!」と怒鳴りつけられ、「ブス!ブス!ブス!ブスブスブスブスブス!」と苛立ちをそのままぶつけ「もう無理して笑うん、やめれ。そのまんまのあんたでいたらええら」と全力で寄り添った。
4話では「もう設計も辞めるから」と部屋に閉じこもる蓮太郎を心配するあまり「あーそうですか、了解でーす、全然大丈夫でーす、どうぞその部屋に一生引きこもってジャンクフードでぶくぶく太ってネットのやりすぎて目もやられて、孤独死でもしちゃってください。じゃあごきげんよう、さようなら」と逆ギレして同期を驚かせたり…。怒ると方言が出たり、ウソをつく時は早口になるなど、案外わかりやすい一面もある。
サクラが人間らしい感情をのぞかせるとき、そこにはいつも仲間がいる。最終回、百合は「空気は読まないけど、人の心は読もうとするサクラが大好きだよ!」と口にした。そう、サクラの最大の魅力は“忖度しない”ことじゃなく、仲間を大切に思う強い気持ちだ。最終回、同期たちの決断を聞いて「本当ですか?よかったです。ずっと、そうなればいいと思っていたので」と覗かせた笑顔は、本当に美しかった。