脚本賞は「俺の話は長い」金子茂樹氏 「尋常じゃない」セリフ量に生田斗真の“反撃”も 【ドラマアカデミー賞】
第103回ドラマアカデミー賞で脚本賞を受賞したのは、ドラマ「俺の話は長い」(日本テレビ系)の金子茂樹氏。これまで「プロポーズ大作戦」(2007年フジテレビ系)、「ヴォイス〜命なき者の声〜」(2009年フジテレビ系)、「きょうは会社休みます。」(2014年、日本テレビ系)、「世界一難しい恋」(2016年日本テレビ系)、「もみ消して冬―」シリーズ(2018年ほか日本テレビ系)など、数々のドラマを手掛けてきた名手で、今作で初の受賞となった。
「俺の話は長い」は生田斗真演じるニートの主人公・岸辺満と、小池栄子演じる姉・秋葉綾子らが一つ屋根の下に暮らし、6年も無職の満をなんとかして就職させようと奮闘するホームコメディー。満の母親の房枝を原田美枝子、元ミュージシャンの綾子の夫・光司を安田顕、綾子の一人娘の春海を清原果耶が演じ、絶妙のキャスティングも話題となった。
「大前提としてあったのは、満がいかに魅力的に見えるか」
――脚本賞、おめでとうございます。
自分でいいのかなという思いがありますね。友人にも面白いと言ってもらったりしましたが、脚本のどういった部分を評価していただいているのかが自分ではよく分からなくて。2019年の年末は皆さん、ちょっと血迷ってたんですかね？(笑)
――そんなことはないと思います。本作は掛け合いが中心の会話劇で、脚本がキモだったと思います。書く際に特に注力された部分は？
前々からホームドラマを書きたいと思っていたのですが、「俺の話は長い」にたどり着くまではかなり大変でした。特にこだわったのは、昭和っぽさでした。ホームドラマは派手なことが起きずに地味なんですけど、何か変わったことをやっているなと思って見ていただきたかったので、セットなども含めて古臭さを演出することで、逆に新しく見えないかな？と思いました。
――派手なことが起きないというと、よりキャスティングが大切だと思いますが、素晴らしい方々が集まりましたよね？
こうして評価していただいていたのは“演者さんが素晴らしかったから”の一言に尽きると思います。もちろん中島悟さんを始めとする監督の皆さんやスタッフの皆さんの尽力もありますが、家族5人はこれ以上ない方々に集まっていただけたと思います。
――設定では満がメキシコのプロレスラーファンなど、生田さんのアイデアも盛り込まれたということですが、脚本の方ではキャストを意識した設定などありましたか？
していると言えばしているのかもしれませんが、特別意識したことはないです。斗真くんや小池さん、安田さんは過去にドラマや舞台でご一緒しているので、自然とご本人に寄っていったところはあるかもしれません。大前提としてあったのは、満がいかに魅力的に見えるかということだけ。その後、出来上がったドラマに僕が感化されて、それぞれのキャラクターに寄っていったところはあると思います。
