脚本賞は「俺の話は長い」金子茂樹氏 「尋常じゃない」セリフ量に生田斗真の“反撃”も 【ドラマアカデミー賞】
生田と小池栄子のやり取りは「お芝居を超越したものがあった」
――金子さんお気に入りのエピソードは?
見てびっくりしたのは、第5話・其の九「銀杏と爪切り」です。満と綾子が二人で映画のタイトルを思い出すシーンで、思い出してから二人で台所に行って、そこで満が綾子を茶化すのですが、その一連の間ですごいものが画面から出ていたんです。思わず、すぐに巻き戻して、もう一回見ちゃったぐらい、お芝居を超越したものがあったと思います。
もう一つ上げると、第8話・其の十六のニートブラザーズの回。実はあまり脚本の出来は良くなかったと思うんです。かなりネタに苦しんでいた時期で、申し訳ない脚本を渡してしまったなと思っていました。歌をネタにしたのも、序盤でプロデューサーから「生田さんも清原さんも歌いたいって言ってるよ」と聞いていたからで、それぐらいネタに窮していたんですね。だから出来上がりを見るのが怖かったんですけど、すごく面白い回になっていて救われました。役者さんはもちろん、監督たちに助けられました。でも、毎回偶然いいところに着地できたということの連続で、狙って書けた話は1話もなかったです。
――本作から小池栄子さんが助演女優賞に選ばれましたが、小池さんのお芝居はどうご覧になりましたか
小池さんは天才じゃないですかね? 僕はちょっと強い女性に叱られたいという願望があるのですが(笑)、小池さんはそれを一番的確に表現してくれる女優さんだなと思います。それから、お笑い偏差値が異常に高いので、シーンやセリフの面白さを100%的確に表現してくださる素晴らしい方でもあると思います。第1話から理想通りのお姉ちゃんを演じてくださいましたし、その積み重ねがあったからこその最終話のマラソン大会の応援になったと思うので、小池さんあっての僕の賞だと思います。