――ドラマオリジナルキャラクターの鴨井の目線で物語が進むことで、原作小説とは異なるエンディングを迎えるそうですね。
もしかしたら、エンターテインメントとしてのいわゆる“すっきりさ”がない作品かもしれません。でも、きれいな着地はしないんですが、そこにメッセージが含まれていると思うんです。自分の心地いいところに落としどころを持っていくのは容易だけどそうはならない、“普通”の考え方や物差しは人それぞれ違う、というようなことが伝わるといいかなと思います。視聴者の皆さんから「明日(オンエアの翌日)は月曜日なんだから、元気に会社行けるようなものを作れよ」というクレームが来ないか心配ですけどね(笑)。
――すごくメッセージ性の強い作品ですが、演じているうえで、気持ちが下がるようなことはありましたか?
やっぱり現場の空気も同調していて、そこの空気を切り取ってやっているところもあるので、鉛を持たされたような重さを感じることはあります。最近、こういうヘビーな作品が続いているので、次は考える必要のない娯楽的な作品もやりたいですね。炭酸飲料を飲みながら見られる作品、“ザ・エンタメ”を(笑)。
――2020年の目標があれば教えてください。
あまり詰めすぎないこと…ですかね。今までは、興味や面白さでスケジュールのパズルを埋めていったら、「あれ? 結構時間ないかもしれない…」というようなことがあったので、そこはちょっと気を付けていきたいです。詰め過ぎると体にもよくないですし、バランスよくやれたらいいなと。一つの役にももっとじっくりと向き合えるというのもありますしね。
取材・文=Rum