新しい林業のカタチ、都市木造化計画の最前線を追うドキュメンタリー ナレーターは工藤阿須加
BS12 トゥエルビでは、10月9日(金)夜9:00より、ドキュメンタリー・BS12スペシャル「都市木造化計画~森の再生~」を放送する。番組は「木造建築から街を見下ろす時代はすぐそこに。」とうたい、日本の林業の新しい動きと、森の再生につながる都市の建造物の木造化の最前線を追う。
日本の森林面積は国土の約3分の2を占める。その4割は戦後まもなく植林された人工林だが、本格的な利用期を迎えても放置されている森林が多くある。そんな森林は手入れが行き届かないため、木々はやせ細り、森は荒れ放題となってしまう。
森林を再生し、木材の需要を復活しようとフィールドワークを続ける木造建築研究の第一人者、東京大学生産技術研究所の腰原幹雄(こしはら・みきお)教授によると、日本の山林が放置されるようになったきっかけは、70年前にさかのぼるという。
1950年、燃えやすいという理由から、木材の利用範囲は法律によって制限された。大型建築への使用は禁じられ、主に戸建て住宅にしか使えなくなった。1960年代には、木材の輸入が自由化され、安価な海外の木材に頼るようになり、戦後に植林された木々は放置されていった。
そんな状況を経た現代、地元の木を広く知らしめ、活性化させたいと奮闘する人がいる。千葉・山武(さんむ)市にある建築屋・材木屋の石井工業。山武杉(さんぶすぎ)にこだわりを持つ同社の石井涼平専務は、病気になった山武杉をも上手に使うことで、地元の名木の良さを広めようと努めている。山武杉のグッズも製作し、その幅を広げることを常に考えている。
高知県には、若い力で林業を活性化させようと取り組む自治体がある。林業県・高知の中央に位置する佐川町(さかわちょう)は、林業を志す若者が全国からやって来る町として注目されている。
地域おこし協力隊を毎年全国から5人ずつ公募、若者に基礎から林業を教えるという取り組みを続ける佐川町。若者たちは決して林業に強いこだわりを持っている人ばかりではないが、若者たちと会話した腰原教授は、林業への関心を少しでも持った人々を受け入れる土壌が必要なのだと語る。
一方、東京のはずれ、檜原村(ひのはらむら)の山奥で林業を行う「東京チェンソーズ」。平均年齢38.5歳、最年少は28歳の林業集団が存在する。別業種でさまざまなキャリアを積んだ後に林業を選んだ彼らは、木を使う人々と触れ合う「顔の見える林業」を志し、さまざまなチャレンジを行っている。
2000年の建築基準法改正。長らく木造の大型建築物は耐火性の問題などから規制されてきたが、技術の進歩により中高層ビルの木造化が可能になってきた。それを可能にする新しい技術の開発は、全国各地で進んでいる。高知県ではすでに木造の高層建築が実現しており、木のぬくもりを感じられる都市木造のビルが存在する。
腰原教授が提唱する「都市の木造化」は、 森の有効活用につながり、 森の再生や林業の活性化にもつながる。その最新状況を番組は伝える。
製作はテレビマンユニオン、BS12 トゥエルビ。ディレクター・小野寺弘行、撮影・松村敏行、プロデューサー・梛木泰西、佐々岡沙樹。語りを俳優の工藤阿須加が務める。
2020年10月9日(金)夜9:00-10:00
語り:工藤阿須加
ディレクター:小野寺弘行
撮影:松村敏行
プロデューサー:梛木泰西、佐々岡沙樹
製作:テレビマンユニオン、BS12 トゥエルビ