後藤拓斗&内藤光佑、映画「ロックンロール・ストリップ」で“嫌なヤツ”を熱演「現場でジャルジャル後藤さんをどうムカつかせるか常に考えてました(笑)」
――完成した作品を見た感想も聞かせてください。
内藤:映画出演の経験が少ないというのもありますけど、自分の作品を見るのがいまだに慣れないんですよね(笑)。どうしても最初に見る時は客観的に見られずに、「あぁ、ここはこんなふうに映ってるんだ」とか自分の反省をしながら見てしまうので。でも、この作品は半太さんの自伝で、大阪から東京に出ていく人生のターニングポイントとなった時期のことが描かれているので、僕自身が役者として一歩踏み出すタイミングってどこなんだろう?って考えながら見ていました。
後藤:原作の小説や台本を読んで自分で想像したものと映像はやっぱり違うというのも感じました。映像だからこそ、こういう表現になるんだっていうシーンもありますので、たくさんの人に見てほしいなって、見終わった時に感じました。よく“映画みたいな話”って聞きますけど、これも「本当の話なの?」っていうぐらいいまだに信じられないすごい話だなって思っています。
――今後、演じてみたい役は?
内藤:どんなジャンルでもいいんですけど、その分野におけるスペシャリストの役をやってみたいです。例えば、絶対負けない弁護士とか、失敗しない医者とか。
後藤:なんとかXって感じ(笑)。
内藤:そんな感じです(笑)。僕は高校を卒業するまで野球をやっていたんですけど、「コイツには絶対敵わないな」っていう天才っているんですよね。僕自身がそういう人になれなかったとしても、役で演じることによって、その人たちがどんな気持ちでどんなことを考えているのかが少しわかるんじゃないかなって。
後藤:僕は役についてはこだわりがないと言ったら変ですけど、「え? この役の人ってあの作品に出てた人?」って、あとで気付かれるような役者になりたいと思ってます。その作品の中の役で覚えてもらいたいので、“後藤拓斗”を消したいんです。
――そういう役者さんいますよね。作品によって全然印象が違って、キャストクレジットを見て気づくという。
後藤:まさにそれです。あとは、光佑は野球をやってましたけど、僕はサッカーをずっとやっていて、中学高校の頃は日本代表に入っていたこともあるんです。その時に一緒だった柴崎岳とか宇佐美貴史とかがプロの世界でバリバリ活躍しているので、僕は役者の活動を通してもっと経験を積んで、例えばサッカー番組とかでいつか共演できる時があったら光栄だなと思っています。
――本人の前で言いづらいかもしれませんが、お互いの役者としての魅力を聞かせてください。まずは内藤さんから。
内藤:そうですね。後藤くんは常に冷静に役を演じている印象がありますね。熱くなるシーンでも俯瞰で自分自身を見ている感じがするんです。どういうふうに見られているのか、どういう影響を与えているのか、そういうことを分析しながら、自分の身体を自分自身が司令塔になって演じているところがすごいなと思います。勉強になります。
後藤:いやいや、そんなことないって(笑)。
――後藤さんから見た内藤さんは?
後藤:最初に野球の舞台で一緒になった時から思っていたんですけど、すごく器用ですね。僕が初仕事の時は初歩的なことでつまづいたりしていたんですけど、「コイツ、サラッとやってるな」みたいな印象がありました。あとは、風貌もそうですけど、可愛げがあるんです。そういう雰囲気は僕には出せないので、ちょっとズルイなって思いますね(笑)。
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主演:後藤淳平
原作・脚本:木下半太
(C)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント