注目の新人俳優・奥平大兼、“素直さ”と“度胸のよさ”を強みに急成長中!<恋する母たち>
大介役は「最初はどう演じていいかわからなかった」
初演技でこれだけの大役を立派に果たし、奇跡の新人俳優として注目を集めた奥平だが、本人は「映画が公開された後はたくさんの方に『見たよ』と言っていただいて、うれしかったです。ただ僕自身はまだ正直、自分が役者だという自覚はあまりなくて。まず役者っていうもの自体を理解できていないと思うんです」と、少々戸惑い気味。
そんな中、再びオーディションで射止めたのが「恋する母たち」の大介役だ。
あるきっかけから“引きこもり”になってしまった大介。「話数を追うごとにいろいろな感情や表情が出てくる役なので、最初はどう演じていいのかが全く分からなくて。大介と同じような境遇の子が描かれている他の作品を見て、勉強してから現場に入りました」と、準備して撮影に臨んだ。
「前回の『MOTHER』では分からないことはすぐに監督などに聞いていましたけど、今度の現場でもそれが通用するとは思っていないですし、何でもかんでも質問しちゃっていいというものではないと思うので。まずは自分でしっかりと考えていって、その上で『自分はこうだと思うんですけど、合っていますか?』という感じで確認しながら演じていっています」と、成長ぶりものぞかせる。
そんな奥平を、“母”役の吉田も高く評価している。
「恋する母たち」制作発表会見で吉田は「セリフを真っすぐ私に届けようとしてくださるので、彼とやるシーンはセリフが突き刺さるんですよね。お芝居だとは分かっているんですけど、母として悲しくて、切ない気持ちにさせてもらっています」と、その演技を絶賛した。
吉田も、直近のインタビューでは「少しずつ“こういうトーンで大介を演じればいいんだな”というのが見えてきた気がしています」と語るなど、手ごたえも感じつつあるようだ。
度胸のよさも、奥平の大きな強み。「MOTHER-」の完成披露イベントでは、初めての舞台挨拶ながら「すごく緊張するのかなと思っていたら、考えていた以上に緊張しなくて、困っています(笑)」と大物ぶりを発揮した。
特技は幼少期から12歳まで打ち込んだ空手で、初段の腕前。2012年全国武道空手道交流大会「形」優勝、2013年全国武道空手道交流大会「形」3位、2014年全国武道空手道交流大会「形」準優勝の実績を持つ。空手で身につけた精神力、全国大会でも実力を発揮してきた集中力が、大一番でもあがらない強さの秘訣なのかもしれない。
「お芝居はすごく楽しいです。ただやっぱり自分が役者であるという自信はないし、『これで勝負していけるんだ』という確かな武器もないので、今はとりあえず勉強していくしかないなと思っています」と、インタビューでも真摯に語った奥平。そんな17歳の大器の瑞々しい演技に注目したい。