日本を代表するアクション俳優に
いまや日本を代表するアクション俳優のひとり。殺陣師としてクレジットされていることも少なくない。
「V6の愛なんだ2019」(TBS系)では高校のアトラクション部にアクションを指導。「アクションで大事なのは、まずは自分のボディコントロール」「次は相手との距離感。もうひとつがどう見えているかというカメラとのポジション。3つのポジショニングがものすごい大事」などと理論的に教え、いざ本番を迎えると妥協を許さない。細かな違和感を見逃さず、生徒たちを励ましながらテイクを重ねた。
「アクションをやるっていうのは、攻撃一つ一つを暴力で終わらすのではなくて、芸術まで高めないと人は見てくれたり、スゲエって思ってくれない。そこまでの自分の行動一手一手にどれだけ責任を持てるか」と生徒に語った岡田の言葉にアクション俳優としての矜持を感じた。
岡田准一は大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年、NHK総合ほか)で主演。翌2015年の第38回日本アカデミー賞では「永遠の0」で最優秀主演男優賞「蜩ノ記」で最優秀助演男優賞をW受賞するという快挙を果たした。もはや俳優・岡田准一を色眼鏡で見る人はいないだろう。それでも「自分で自分のことをまだ認めてない」という岡田准一は、常に「それは違う」と自問自答しながら、ストイックに戦い続けているのだ。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊テレビジョン』2019年12月号