真彩が濱田の歌声の秘密に迫る!
真彩:濱田さんは“ミュージカルといえば”…みたいな方だなと思っているんです。フランク・ワイルドホーンさんの作品にもたくさん出演されていますよね。
私も在団中にワイルドホーンさんが書きおろしてくださった「ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」(2017~2018年)という作品に出演したのですが、当時声帯が追い付かなくて…。でも濱田さんはいつ観ても、ワイルドホーンさんの作品でも自由自在に歌っていらっしゃっていますよね。
それで、他のインタビューで「テクニックを勉強しました」とおっしゃっているのを見て、とても気になっていたんです。歌うことに関してのテクニックや、意識している音の表現の仕方があれば教えてほしいです! 自由自在に音は出るんでしょうか?
濱田:出ますね! よく、「キーは?」って聞かれるじゃないですか? そういう時は「こちらが合わせるので、提示して下さい」って言うんです、逆に(笑)。
とにかく学生の頃から一日中歌い倒していたんですよ。本当に、朝起きてから寝るまで。当時、「音楽夢コレクション」(1989年~1991年、NHK総合で放送)という番組で、島田歌穂さんや森公美子さんたちがミュージカルの曲を歌ったりされていて。それを録画して、真似して歌い倒していたんです。
それから初めて買ったのが「ミス・サイゴン」のCDで、耳コピで全曲歌えるようにして、その歌い手さんの喉をコピーしたんです。それで、喉がすごく強くなったんだと思います。
その後、劇団四季に入ってからは‟歌う“という感覚ではなくて‟声をずっと出し続けている”って感じだったんです。この人生、今まで生きている間ずっと。車に乗っていてもその時やっている演目の曲をずっと歌っているし、黙っていることが無いんです。
劇団四季にはピアノが置かれている個室がたくさんあるのですが、そこに入ったらとにかく声を潰すまで歌い続ける!その時に喉が強くなって、それからどこへ行っても喉は壊れなくなったんです。
真彩:喉を潰してしまった時は、自然に治るのを待つのでしょうか…?
濱田:潰れている感じがあまりわからないんですよね。掠れるけど、潰れることはないんです。
あとは、歌ということでいうと、私はまず耳で起こします。音符があって、音符が点々と並んでいて普通はそれを歌うじゃない? だけど、そして、まずは譜面をいただいた時に作曲家の方がどんなふうに歌って欲しいと思ってるんだろうって、考えます。
真彩:同じくです!
濱田:そうすることで「ここは何で半音下げたのかな? 心の動きが欲しかったのかな」って、わかるんですよね。そうすると役も研究できて。その時、その音にこそ感情的な真実があるから、そこに寄り添いながらやっています。
赤ちゃんが泣いても喉を壊さないのと一緒で、その感情に浸かると勝手に喉がそうなるんですよ。そして、そうなるまで、とにかく研究するかな。
やっぱりずっと原曲を聴いているとそうやって声を出したくなるんですよね。だから原曲をたくさん聴く! その曲に込められた気持ちからひも解いていって、最終的に全部が整う感じなんです。
真彩:なるほど~!